更新日: 2021.07.30 その他暮らし

「労働委員会」労働者はどのように利用できる?

執筆者 : 三藤桂子

「労働委員会」労働者はどのように利用できる?
「労働委員会」とはなんでしょうか。詳しく説明できる人は少ないと思います。
 
労働委員会の役割とは何か? 労働者はどういった場合に利用できるのか? 個人で利用できるのか? 申請方法は? など分かりやすく解説します。
 
三藤桂子

執筆者:三藤桂子(みふじけいこ)

社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、FP相談ねっと認定FP、公的保険アドバイザー、相続診断士

大学卒業後、公務員、専業主婦、自営業、会社員、シングルマザーとあらゆる立場を経験した後、FPと社会保険労務士の資格を取得し、個人事業主から社会保険労務士法人エニシアFP を設立。

社会保険労務士とFP(ファイナンシャルプランナー)という二刀流で活動することで、会社側と社員(個人)側、お互いの立場・主張を理解し、一方通行的なアドバイスにならないよう、会社の顧問、個別相談などを行う。

また年金・労務を強みに、セミナー講師、執筆・監修など首都圏を中心に活動中(本名は三角桂子)。

https://sr-enishiafp.com/

労働委員会とは?

労働委員会とは、労働者が団結することを擁護し、労働関係の公正な調整を図ることを目的として、労働組合法に基づき設置された行政機関です(労働組合法は憲法28条の労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)に基づく法律)。
 
労働委員会には、国の機関である中央労働委員会および都道府県に設置された都道府県労働委員会があり、公益を代表する委員(公益委員)、労働者を代表する委員(労働者委員)、使用者を代表する委員(使用者委員)のそれぞれ同数によって組織されています。
 
労働委員会は労働組合法および労働関係調整法等に基づき、労働組合と使用者(事業主)の間の紛争や労働者個人と使用者(事業主)の間の紛争等について、労働関係のトラブルの解決を図る機関です。
 
労働委員会には、次の大きく分けて2つの機能があります。
 

(1)調整的機能:労働組合および個々の労働者と使用者(事業主)の間に入って、あっせん等を行い、労働争議や労働関係紛争の解決を手伝う。
(2)判定的機能:不当労働行為救済申立事件の審査、労働組合の資格審査などを行う。

 

<労働委員会が行うこと>

●労働争議のあっせん・調停・仲裁等
●個別的労使紛争の解決を促進
●不当労働行為の救済申立てについて、審査等
●労働組合の資格を審査し、証明書を発行

(出典:厚生労働省中央労働委員会および労働委員会パンフレット(※1)より)
 

労働者個人も無料で相談できる(個別労働紛争のあっせん)

職場において、個々の労働者と使用者(事業主)との間の労働問題は労使双方の話し合いにより、自主的な解決を図るように努めることが望ましいのですが、時には話し合いがまとまらず、自主的な解決が困難になる場合もあります。
 
当事者間で解決を図ることが困難な場合は、各都道府県労働委員会において、トラブルを解決する手伝いをしてくれる制度を「個別労働紛争のあっせん」といいます。個別労働紛争のあっせんは無料で利用できます(労働委員会によっては資料郵送の切手代等がかかる場合がある)。
 
個々の労働者と使用者(事業主)との間の労働問題として、労働者側からの相談事例としては次のようなことがあります。
 

●突然、会社から解雇を言い渡され、困っている。
●採用当初に提示された労働条件が、実際と違う。
●一方的に賃金が引き下げられた。
●年次有給休暇が取れない。
●配置転換命令を受けたが、理由が納得できない。
●会社から執拗な退職強要を受け、精神的苦痛を感じる。

(出典:中央労働委員会「個別労働紛争のあっせん」(※2)より一部抜粋)
 
現在、あっせんを行う労働委員会は、44労働委員会。東京都、兵庫県、福岡県では、労働委員会でのあっせんを行っていません(東京都では東京都労働相談情報センターが取り扱っています)。
 

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あっせん(あっせんの流れ)・調停・仲裁

労働委員会が扱う労働争議の調整には、あっせん・調停・仲裁があります。調整は原則として当事者の申請により開始されます。中でもあっせんは、3つの調整手法のうち最も利用しやすく、労働者側、使用者側、どちらからでも申請できます。
 
労働委員会のあっせん・調停は、両当事者に対して労働委員会が解決を強制するものではありません。あくまで公正な第三者として助言を与え、労使間の自主的な相互の歩み寄りを図るものです。あっせんの申請をする場合には、申請書に必要事項を記入し、都道府県労働委員会事務局に提出します。
 
仲裁は、労使双方からの申請または一方からの労働協約の定めに基づく申請によるほか、中央労働委員会の決議、主務大臣から請求があった場合に行います。
 
<あっせんの流れ>
 

 
※ 各都道府県労働委員会で名称・制度内容・処理方法は異なります。また、各都道府県労働委員会で名称・制度内容・処理方法は異なります。
(出典:中央労働委員会「あっせんの流れ」(※3)より)
 

まとめ

2020年度(令和2年度)における労働委員会での個別労働紛争に関する相談・助言、あっせん件数は5894件(総計)、新規のあっせん件数は269件となっています。労働委員会だけでなく、他機関が行うあっせん件数を含めると9656件(2019年度)となります(他機関:都道府県労政主管部局等、都道府県労働局、地方裁判所(労働審判))。
(出典:中央労働委員会「各機関における個別労働紛争処理制度の運用状況」(※4))
 
厚生労働省が公表する個別労働紛争解決制度では、民事上の個別労働紛争の相談件数では「いじめ・嫌がらせ」の件数が9年連続最多となっています。さらに「解雇」等に関する件数は前年度より増加しています(厚生労働省Press Release令和3年6月30日(※5)より)。
 
労働委員会という名称だけでは実際どのようなことをしているのか、個人で利用できるのかどうか悩んでいた人は、これを機に相談してみてはいかがでしょうか。
 
出典
(※1)厚生労働省/中央労働委員会事務局「労働委員会」
(※2)中央労働委員会「個別労働紛争のあっせん」
(※3)中央労働委員会「あっせんの流れ」
(※4)中央労働委員会「各機関における個別労働紛争処理制度の運用状況」
(※5)厚生労働省「「令和2年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します」
 
執筆者:三藤桂子
社会保険労務士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、FP相談ねっと認定FP、公的保険アドバイザー、相続診断士