一人暮らしの交際費、平均額はどれくらい?
配信日: 2021.08.20
その中でも特に交際費は、多くの方にとって関心の高い支出項目なのではないでしょうか。自由な一人暮らしの交際費について、統計データを基に読み解いていきます。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
交際費とは
まずは交際費の定義について確認していきましょう。交際の定義は人によりさまざまで、これをどう定義にするかによって交際費の金額が大きく変わります。
総務省が実施する家計調査において交際費とは、「贈答用金品及び接待用支出並びに職場、地域などにおける諸会費及び負担費」と定義されています。
一人暮らしであれば親せきや友人、知人のためなど、自分以外のために支出した費用や、誰かと一緒に過ごす時間のために支出した費用については、基本的に交際費と考えて問題ないでしょう。
単身世帯の交際費の月平均は約8640円
総務省の「家計調査(家計収支編)」によれば、単身世帯における2020年の交際費の平均額は10万3674円で、月額換算では約8640円となります。
前年の2019年は交際費の平均額が11万1088円、月額換算で約9257円であったことから、2020年は若干交際費が減少したようです。その理由としては、特に新型コロナウイルスの影響から人と会う機会が減ったことなどが考えられます。
男女別、年齢別に見た交際費の平均は?
続いて男女別、そして年齢別に交際費の平均を見ていきましょう。
男性の交際費は年間で6万9505円となっており、月額換算では約5792円です。女性は年間で13万3526円、月額では約1万1127円となります。単身世帯を男女別に分けると、女性の方が交際費の平均は高額になっているようです。
続いて、男女の交際費の平均について年代別に見てみます。
男性 単身世帯の交際費(月額平均)
34歳以下 | 35~59歳 | 60歳以上 | 65歳以上 |
---|---|---|---|
約2919円 | 約5682円 | 約7646円 | 約7854円 |
※総務省統計局 「家計調査(家計収支編) 調査結果」(1世帯当たり年間の品目別支出金額 男女,年齢階級別 単身世帯・勤労者世帯)より筆者作成
女性 単身世帯の交際費(月額平均)
34歳以下 | 35~59歳 | 60歳以上 | 65歳以上 |
---|---|---|---|
約4644円 | 約1万479円 | 約1万2822円 | 約1万2933円 |
※総務省統計局 「家計調査(家計収支編) 調査結果」(1世帯当たり年間の品目別支出金額 男女,年齢階級別 単身世帯・勤労者世帯)より筆者作成
男女ともに60歳以上、65歳以上の年代の支出が多く、34歳以下は最も少ない結果となっています。
35歳から59歳の間で支出が増えるのは収入などが関係していると考えられ、年齢とともに収入が上がったことで余裕ができたり、交友関係が広がって交際費にかける金額も上がっているのではないでしょうか。
また、60歳以上や65歳以上となると、退職後など時間にゆとりのある生活を過ごす方もいることから、交際費の支出額が増えていると推測されます。
交際費はいくらが適正なの?
ここまで見てきた交際費は、あくまでも統計上の数値です。その数値よりも多い、少ないと一喜一憂してもあまり意味はありません。
もし、交際費の目安を提示するとすれば、手取り収入の5%から8%程度の金額でしょうか。このくらいの割合であれば、一人暮らしにおいて貯蓄をしつつ、日々の生活を楽しむことができます。
交際費は家賃や食費のように必須の支出ではありませんが、毎日の生活を精神的に豊かにするものであり、過度に削るのも健全な一人暮らしとはいえなくなる可能性があります。家計の収支に応じて、柔軟に交際費の適正値を探っていくのも一人暮らしの醍醐味です。
交際費は平均にこだわりすぎないこと
一人暮らしにおける交際費の平均額は、月額で約8640円でした。しかし、平均はあくまでも平均であり、そこにこだわりすぎても一人暮らしを楽しむことはできません。
せっかくの一人暮らしを存分に楽しむためにも、交際費については収支のバランスに応じ、無理のない範囲での支出を心掛けるようにしてください。
出典・参考
総務省統計局 家計調査(家計収支編) 時系列データ(総世帯・単身世帯)
総務省統計局 交際(世帯外の人)のための支出
e-Stat 家計調査(家計収支編) 調査結果
執筆者:柘植輝
行政書士