更新日: 2021.10.20 その他暮らし
【ネットショップでも、あるある】同じ商品なのに価格がかなり違う。価格比較をすると、おトクにつながる?
いずれの数値も、コロナ禍が深刻化していった昨年4月あたりから増え始めて、その後ずっと高止まりしています。価格や付与されるポイントなどで、より“おトク”なショップを探そうとする機会も増えているかもしれません。
執筆者:上野慎一(うえのしんいち)
AFP認定者,宅地建物取引士
不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。
たくさんあって多種多様なネットショップやサイト
個々のネットショップは、とてもたくさんあります。各店が集っているモールなどのショッピングサイトも数多くあり、多種多様です。複数のモールに同時に出店したり、ショッピングサイトへの出店と並行して自社直接のネット販売をしているような店もあります。
また、価格比較サイトといわれるものでは(すべての商品をカバーしているわけではありませんが)ある商品がいくらなのか各店の表示価格が一覧で掲載され、簡単に比較ができます。
例えばホテル宿泊でも、旅行予約サイトごとに販売価格に差があることは珍しくありません。ある大手ホテルチェーンでは、自社直接の予約サイトならば他社の数値といちいち比較しなくても「最安値」であることを大きくPRしています。
商品全般でいえば、それぞれのショッピングサイト利用時の付与ポイントまで含めると、トータルでの高い安いが逆転することもあります。ショッピングモールサイトによっては、特定の日(1日、5や10のつく日など)に付与ポイントを通常の数倍にしているところもあるので、要チェックでしょう。
こんなに価格が違う“ケース”もあります
ところで、先述の「自社(発売元)サイトから購入すると最安値(かもしれない)」と「付与ポイントの多いサイトやタイミングを見つけておトクに購入する」。この2つの着眼点をめぐって、こんなことがありました。
購入を検討したのは、価格比較サイトには出てこないマイナーな商品。十数枚のカードをまとめて入れるためのプラスチック系の“ケース”でした。
ネット検索でイメージに合った商品を探したところ、卸売りで個人向け直販もしている発売元が見つかりました。400個が販売単位で、それ未満でも割高にはなりますが100個単位で購入でき、販売価格は100個で4510円(税込み)。ちなみに送料は別途770円(同)で、直販サイト独自のポイント等の付与はありません。
サイズや仕様もぴったりで、すぐにでも購入しようと思いましたが、その日は20日。ある大手ショッピングサイトを利用すれば、ポイントが最大5倍になるタイミングでした。
調べると、目当てのショッピングサイトにもその発売元が出店していました。ポイント5倍にばかり気を取られていましたが、販売価格をよく見ると100個で5940円(税込み、送料無料)。直販よりも1400円以上、率で3割以上高く、送料を考慮しても700円近い差があります。
通常1%のポイントが5倍になっても300円相当足らず。最終的には、もちろん直販サイトで購入しました。先述の2つの着眼点のうち、「自社(発売元)サイトから購入すると最安値(かもしれない)」が勝っていたわけです。
ここで考えさせられるのは、この2つの価格差が何を意味するかです。それは、ショッピングモールサイトに出店して販売展開するためのコスト、いわば“ショバ代”のようなものでしょう。
具体的には、ショッピングモールサイトの知名度・集客力、運営や決済のシステムなどを利用するための費用で、入会時や加入中の月々に固定でかかったり、売上高に連動して負担したりするイメージです。
購入者に付与するポイントや、折々に実施されている販促キャンペーンの原資も当然、加入店が負担しているわけです。
まとめ
「アフターコロナ」(=いずれ終息する)のフレーズが、いつの間にか「ウィズコロナ」(=当面は続く)になってしまったような昨今、ネットショッピングの盛況はこれからも続くことが想定されます。
ネットショッピングをするとき、付与ポイントの多さは魅力の1つで、購入の背中を押してくれる要因にもなります。しかし、その出どころは(その分だけ上乗せされているかもしれない)販売価格、つまるところ購入者のおサイフなのです。
付与されるポイントなどの特典も含めて、結局どの店が安いのか。購入を決める前に、じっくりと比較しておきたいものです。
[出典]
(※)総務省統計局「家計消費状況調査」~「ネットショッピングの状況について」(令和3年9月7日)
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士