更新日: 2021.12.06 その他暮らし
近年人気の流山市を支えてきた5.7kmの単線~本家流山はこちら!流鉄「流山駅」
流山市のブランドイメージには、“千葉の二子玉川”ともうわさされるつくばエクスプレスの「流山おおたかの森駅」とその周辺エリアの雰囲気が大きく寄与しているのではないでしょうか?
しかし……。流山を支えてきた「流鉄(りゅうてつ)流山線」を忘れてはいけません。
執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。
6つの駅しかない路線は町民が作った
流鉄流山線は、1913年、流山町民116名が出資してできた「流山軽便鉄道株式会社」がはじまりで、1916年、JR常磐線の馬橋(まばし)駅と流鉄流山駅5.7kmを結ぶ単線として開業。それ以来流山の生活を支えてきました。
路線駅は「流山駅」「平和台駅」「鰭ヶ崎(ひれがさき)駅」「小金城趾駅」「幸谷駅」「馬橋駅」の6つ。馬橋駅はJR常磐線馬橋駅と、幸谷駅はJR武蔵野線新松戸駅と隣接しています。さらに、鰭ヶ崎駅は1kmほど歩けばつくばエクスプレス南流山駅にたどり着きます。意外と交通便利です。
始発駅の流山駅はどこの路線とも連絡しておらず、ぽつんとたたずんでいます。言い方は失礼ですが、取り残されたような雰囲気でもあります。
しかし、その周りの風情は江戸情緒を残し、かつての繁栄ぶりを思い起こさせます。流山は江戸時代から水運を活かして栄えた地域でした。新撰組近藤勇と土方歳三の別れの地でもあり、陣屋跡が残っています。
流山を通らなかった常磐線
明治時代になって1896年に土浦~田端間の常磐線が開通します。しかし常磐線は流山を通らず、その頃まだまだ未開拓だった現柏市方面に向かってしまいました。常磐線沿線の松戸や柏は発展していきます。これには、当時の住民が鉄道敷設に反対した、またはいわき方面への最短経路を取るためだったなど諸説があります。
流山の人たちはかなりの距離を歩いて松戸駅や馬橋駅まで通ったとのことです。鉄道の必要性を感じた流山町民がお金を出し合って作ったのが流山軽便鉄道株式会社だったわけですね。
流山おおたかの森より狙い目?
今や中心駅は前述の流山おおたかの森駅や南流山駅に移った感もありますが、流鉄流山駅からも馬橋駅経由で東京駅までは1時間圏内です。江戸情緒のすてきな街なみは「江戸回廊」と呼ばれ、各店の前に手作りの切り絵行灯が置かれて、夜などはいい雰囲気。ちょっと歩けば江戸川の自然に触れられます。
ひょっとして賃貸家賃相場によっては、“(おおたかの森じゃない)狙い目の流山”ではないでしょうか? 大手賃貸サイトで流山おおたかの森駅付近とワンルームとファミリータイプの家賃相場を比較してみたいと思います。
(注)家賃相場は筆者が2021年11月30日現在大手賃貸サイトで調べた主観的なものであくまで参考とさせてください。
■ワンルームタイプ(15~25平方メートル/駅から徒歩10分以内)
●流山おおたかの森駅
徒歩10分以内にほとんどこのタイプの賃貸物件は見当たりません。やはりファミリーの街なのですね。
●流鉄流山駅
徒歩10分以内に月額家賃4~5万円のアパートが散見されます。つくばエクスプレス流山セントラルパーク駅までも徒歩圏という物件が出てきます。
■ファミリータイプ(50~80平方メートル/駅から徒歩10分以内)
●流山おおたかの森駅
月額家賃13~20万円の幅で多くの物件は出てきますが、14~16万円ぐらいの物件が多いイメージです。「月15万円かかる」といっても大きな間違いではないでしょう。そもそも賃貸で住む街ではないのかもしれません。
●流鉄流山駅
物件数は少ないですが、月額家賃7~8万円のアパート、マンションが出てきます。やはり、流山セントラルパーク駅までも徒歩でいけるという物件が出てきますね。
流山おおたかの森駅周辺の商業施設の充実ぶりは言うまでもないですが、流鉄流山駅周辺にも大型スーパーや金融機関などはあり、生活に不自由することはなさそうです。
まとめ
静かで落ち着いた街で暮らすには、流鉄流山駅周辺はおすすめかもしれません。馬橋駅や幸谷駅で乗り換えれば、都心まで遠くはないですし、つくばエクスプレス流山セントラルパーク駅も徒歩圏。流山市に住むなら流鉄線流山駅周辺も検討してはどうでしょう。
出典
※ 流山市の常住人口(流山市ホームページ)
※2021/12/6 記事に一部誤りがあったため、修正いたしました。
執筆者:藤木俊明
副業評論家