更新日: 2022.01.28 その他暮らし

省エネ性能の高い住宅取得を支援する「こどもみらい住宅支援事業」とは?

執筆者 : 高橋庸夫

省エネ性能の高い住宅取得を支援する「こどもみらい住宅支援事業」とは?
「こどもみらい住宅支援事業」とは、子育て世帯などの住宅取得に伴う負担軽減や、高い省エネ性能を有する住宅の取得を支援するための事業で、2022年1月より事業者登録がスタートしています。
 
日本では現在、2050年までに温室効果ガスの排出を全体でゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指す観点から、さまざまな支援策が講じられています。
 
ここではその1つとなる、こどもみらい住宅支援事業の概要について確認してみたいと思います。
高橋庸夫

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

補助の対象

こどもみらい住宅支援事業の補助の対象は、大きく以下の2つになります。
 

(1)子育て世帯・若者夫婦世帯による住宅の新築

子育て世帯などが、高い省エネ性能を有する新築住宅を取得する際の負担軽減を図ることを目的として、一定の要件を満たす対象住宅に以下のような補助金が支給されます。
 


※国土交通省 「こどもみらい住宅支援事業」より筆者作成
 
補助の対象として、子育て世帯・若者夫婦世帯が注文住宅の新築、新築分譲住宅を購入した場合が該当します。
 
子育て世帯とは、申請時点において子(2003年4月2日以降に出生した子)を有する世帯のことで、若者夫婦世帯とは申請時点において夫婦であり、いずれかが1981年4月2日以降に生まれたの世帯のことをいいます。
 
また、対象住宅の「ZEH」(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」のことで、高断熱、高気密での省エネや太陽光発電などの利用により、住まいのエネルギー収支をゼロにすることを目指した住宅のことをいいます。
 

(2)省エネ性能を有するための住宅の省エネ改修(リフォーム)

子育て世帯や若者夫婦世帯以外でも、一定の省エネ改修工事を行った場合には、以下のような補助金が支給されます。
 


※国土交通省 「こどもみらい住宅支援事業」より筆者作成
 
補助額については一戸当たり原則30万円が上限となっていますが、子育て世帯または若者夫婦世帯が既存住宅を購入してリフォームを行う場合は60万円/戸、その他の世帯が「安心R住宅」を購入してリフォームを行う場合は45万円/戸など、工事内容や発注者の属性に応じて上限額が引き上げられます。
 

補助金の申請手続き

補助金の申請手続きは、こどもみらい住宅事業者としてあらかじめ事務局に登録した事業者(工事施工者や販売事業者)が行います。
 
補助対象となる工事については、こどもみらい住宅事業者の登録後に着工する必要があり、発注者は登録事業者による申請手続きを通じて補助金の還元を受けることになります。
 
子育て世帯や若者夫婦世帯に該当する場合など、補助金の受け取りを希望する際には、工事の契約の段階から施工業者や販売業者と事前にしっかり相談しておく必要があります。
 
また、現状で補助の対象期間は、契約期間が2021年11月26日 ~ 遅くとも2022年10月31日とされており、交付申請の開始は2022年3月頃とのことです。
 

まとめ

認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、ZEH水準省エネ住宅などの認定住宅に対しては、このような支援事業による補助金のほかにも、認定住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除、住宅ローン控除など、税制優遇の制度についても期間延長や拡充が図られています。
 
今後、住宅の新築や購入を検討されている特に若い世帯の皆さまには、ご自身が利用可能な補助金や税制などの有益な情報を漏れなくしっかりと収集し、理解しておくことが必要と思われます。
 
そのためには、専門的かつ豊富な情報を持っている信頼できる業者をパートナーとすることが近道でしょう。
 
出典
国土交通省 こどもみらい住宅支援事業
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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