更新日: 2019.01.10 その他暮らし
映画でよくみる警察のカーチェイス 実際に自分の車が巻き込まれたら警察は弁償してくれない!?
車や物にぶつかりながら市街地を駆け抜けるシーンは刺激的です。
しかし、実際にカーチェイス中の警察車両にぶつかられて車が破損してしまった場合、損害賠償請求はできるのでしょうか。
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。
目次
一般的な交通事故での損害賠償の流れ
通常の交通事故における損害賠償の流れをご紹介します。
1.警察に連絡する
交通事故にあったら、まずは警察に連絡します。
2.自分の保険会社に連絡する
警察に 連絡後、自分の保険会社にも連絡します。事件発生の日時や場所、事故の概要などを通知しましょう。
3.警察から事情聴取を受ける
事情聴取の際に作られる「被害者供述書」が後の損害賠償請求にも関わるので、事故後に集めた証拠や、その時の現場での記録をしっかりと話すことが大事です。
4.病院での診察を受ける
少しでもけがをしていれば「人身事故」として届けを出すことが可能です。
5.示談交渉
交通事故のほとんどは示談で解決します。一般的には交通事故の被害者と、加害者の保険会社の間で示談が行われます。
6.損害賠償を受け取る
示談交渉が合意に至った場合、保険金が支払われます。
過失割合についての説明
交通事故における過失割合は一般的に、当事者が契約する保険会社が協議して決定します。話し合いの基準となるのは、過去の裁判例です。
どの保険会社でも過去の裁判例を基準に話し合うので、契約する保険会社で過失割合の交渉が有利・不利になることはないようです。
例えば過去の裁判例によると、センターラインオーバーや赤信号無視の事故では、基本的過失割合が100:0であると言われています。
警察車両とぶつかった場合、通常の事故と何が異なるのでしょうか。東京桜橋法律事務所の石垣美帆弁護士にお伺いいたしました。
通常の交通事故で車にぶつかられた場合は、相手の保険会社から損害賠償を受け取ります。しかし、カーチェイス中の警察車両にぶつかられた場合は、国に損害賠償を請求することが可能です。
本来警察車両や消防車、救急車などの救急車両が走っている際は、一般車両が避けなくてはならないというルールがあります。そのため、ひとつ注意しなくてはいけないのは、車の過失割合は基本的に一般車両8:警察車両2になるということです。
ぶつかられた一般車両の方が、過失が大きいとみなされるのですね。
もし、警察車両がカーチェイス中ではなく、パトロール中に一般車両にぶつかった場合は、それとは別の基準で過失割合を決めることになります。
もし、カーチェイス中にぶつかった警察車両が、ぶつかったことに気づかないまま犯人を追い続けたとしても、その警察車両で事故証明をする必要はありません。警察を呼んで、事情聴取を受けましょう。
救急車両に出くわしたら、あせらずに道路の左側に寄りましょう
カーチェイス中の警察車両にぶつかられた場合、ぶつかられた一般車両の方に大きな過失があるとされることが分かりました。
「緊急車両が走っている場合、一般車両は進路を妨害しないように車を避けなくてはいけない」というルールがあるかぎり、そうなることはやむを得ないのでしょうね。
もし緊急車両に出くわしたら、あせらずに道路の左側に寄って進路を譲りましょう。
Text:FINANCIAL FIELD編集部
監修:石垣 美帆(いしがき みほ)
弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。