運転免許証を自主返納。いろいろな特典があるって本当？

高齢ドライバーによる交通事故の増加にともない、日本全体で運転免許証の自主返納が進んでいます。
 
しかし、運転免許証を自主返納すると生活に困ると思ってなかなか返納できない人がたくさんいるのも事実。実は運転免許証を自主返納することで特典が用意されていることはご存知でしょうか。
 
そこでここでは、運転免許証を自主返納した際の特典や、返納手続きの方法を紹介します。

運転免許証を自主返納した際の特典は？

運転免許証を自主返納すると、運転経歴証明書を発行することができます。正しくは運転経歴証明書を提示することで、各地方自治体で用意されている特典を利用することが可能です。
 
それでは、運転経歴証明書とは何か、運転経歴証明書を提示することで利用できるサービスの例について紹介します。
 

・運転経歴証明書とは

運転経歴証明書とは、運転免許証を返納してから5年間の運転の履歴を証明するものを言います。
 
運転免許証は本人確認書類としての役割も大きく、身分証代わりとして使っているために返納できないという人も少なくありません。しかし、2011年の制度改正により、運転経歴証明書も運転免許証同等の身分証明書として使えるようになりました。
 

・運転免許証を返納すると利用できる特典は？

運転免許証を返納することで、各自治体で用意されている特典を利用することができます。特典の内容に関してはあくまで国で実施しているものではないので自治体によって異なります。
 
中でも多いのが公共交通機関の乗車賃の割引です。やはり運転免許証の返納のデメリットは、お出かけの際の移動手段が無くなる点でしょう。車は時間に関係なく最短ルートで自分の行きたい場所に手軽に移動できる手段なので返納したくないという人も多くいます。特に公共交通機関の本数が少ない地方はその傾向が顕著です。
 
そこで公共交通機関をお得に使えるようにすることでそのデメリットの穴埋めをしようという動きから公共交通機関の乗車賃の割引が用意されています。公共交通機関が充実していない地域だと、タクシーチケットの配布などを行っている自治体もあります。
 
また、自治体によってはお出かけやお買い物が楽しくなるような特典が用意されているところもあります。例えば東京都だと老舗ホテルのレストラン・バーの割引券や、大手百貨店の送料無料サービスなど。また、観光スポットの多い神奈川県では、老舗ホテルなどの宿泊割引サービスなどが用意されています。このように運転経歴証明書を提示するだけで、お得にお出かけも楽しめます。
 

運転経歴証明書ってどうやって発行するの？

運転経歴証明書は運転免許証と同じくお住まいの地域の警察署や運転免許センターにて発行手続きを行います。用意するものは運転免許証・印鑑・運転経歴証明書の発行料1,100円です。また、警察署にて手続きを行う場合は証明写真も必要になります。万が一運転免許証を紛失してしまって手元にない場合は、マイナンバーカードなど身分証明書になる書類を持参すれば大丈夫です。
 
ちなみにあくまで運転経歴証明書が発行できるのは、有効な運転免許証を持っている人のみとなります。更新を忘れた運転免許証を持参したり、過去に事故などで取り消しになったりしたりした場合は運転経歴証明書の発行対象となりません。
 
運転経歴証明書が発行できる年齢に制限はありません。運転免許を返納するタイミングは60代～70代に入ってから、定年退職など人それぞれですが、やはり運転が難しくなってきた、目が見えにくくなってきたタイミングが返納のタイミングでしょう。運転に限界を感じてきたら無理をせずに返納を検討してみてください。
 

運転免許の返納はメリットだらけ！

やはり年齢を重ねると視野が狭くなるなどして車の運転が難しくなってきます。しかし車は移動手段として便利なので、生活への影響を考えるとなかなか返納に踏み切れないのも事実です。
 
ただ、運転免許を返納することによって得られるメリットもあり、返納しても十分に快適な生活を送れます。事故を起こす前にぜひ運転免許の返納を検討してみてはいかがでしょうか。
 
出典
警視庁 高齢者運転免許自主返納サポート協議会加盟企業・団体の特典一覧
神奈川県警察 神奈川県高齢者運転免許自主返納サポート協議会 加盟・協力企業・団体一覧表
警視庁 運転免許証の自主返納・運転経歴証明書の各種手続
警視庁 運転免許証の自主返納と同時に運転経歴証明書の交付申請をする方
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部