【本当にあった！】身近に潜むキャッシュレス決済の「お金のトラブル」

最近は買い物をする際のお金の支払いについて、現金での決済のほか、電子マネーやクレジットカードによるキャッシュレス決済など、その方法が多様化しています。
 
支払い方法の選択肢が増えることで生活は便利になりますが、思わぬところでトラブルに巻き込まれることもあります。今回は、近年起きているキャッシュレス決済でのトラブルの事例や、筆者が実際に体験したクレジットカードの不正利用についてご紹介します。
 
身近に潜むお金に関するトラブルに対して、より気を引き締めていきましょう。

キャッシュレス決済の広がり

キャッシュレス決済とは、現金を使わずにお金を支払う方法で、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード決済などが該当します。近年、これらの決済方法は私たちの生活に欠かせないものとなっており、実際にキャッシュレス決済の利用金額は伸びています。
 
消費者庁（三菱UFJリサーチ＆コンサルティング「キャリア決済を中心としたキャッシュレス決済の動向整理」）によると、日本の決済手段におけるキャッシュレス決済の比率は2020年で29.7％となっており、2015年の18.2％から毎年増加しています。
 
生活で身近となったキャッシュレス決済ですが、その一方で、今までとは違ったトラブルや詐欺被害が増えていることに注意が必要です。
 

キャッシュレス決済の消費者トラブルの例

前述した「キャリア決済を中心としたキャッシュレス決済の動向整理」では、キャッシュレス決済によって起きたお金のトラブルが具体的に紹介されています。
 
一例として、モバイル型のクレジットカード決済端末の導入が要因となったトラブルがあります。これは訪問修理などで当初の説明よりも高額な請求を受けたときに、手元に現金がない場合でも、クレジットカードで支払うように求められるといったものです。
 
また、QRコードでのキャッシュレス決済では、対応していると思った店舗で実際には利用できなかったのでチャージ金額の払い戻しを依頼したところ、原則として払い戻しはできないと応じてもらえなかった、などのトラブルが発生しています。
 
そのほかにも、紛失したスマートフォンでQRコード決済が不正に利用されて、高額の請求を受けたケースもあるようです。
 
筆者の場合、クレジットカードが不正利用され、身に覚えがない化粧品が購入されていたというトラブルに遭ったことがありますが、クレジットカード会社の対応により、お金は返金されて、カードは新しいものに交換となりました。
 

お金のトラブルに巻き込まれたら

このようなキャッシュレス決済に関連したお金のトラブルを回避するためには、まず、クレジットカードの番号やスマートフォンなどのパスワードの管理を徹底して行うことが必要です。
 
また、インターネットで買い物をする際に使用するIDやパスワードは第三者に推測されにくいものに設定して、パスワードについては定期的に変更するようにしましょう。初めて買い物をするインターネットショップでクレジットカード決済を利用する場合などは、特に注意するようにしてください。
 
インターネットショップの口コミ件数や内容から、きちんと運営されている会社かどうか確認しておくほか、会社の所在地や電話番号などの連絡先がサイトに記載されているかもチェックしておきましょう。
 
万が一、トラブルに巻き込まれたら、クレジットカード会社や消費者庁などの相談窓口にすぐに連絡することが大切です。悪質な詐欺事件の場合は、警察にも届ける必要があります。
 

まとめ

近年増加するさまざまなお金のトラブルは、キャッシュレス化などによって、より複雑化している傾向が見られます。「まさか自分が」と思う方もいるかもしれませんが、誰でもトラブルに巻き込まれる可能性はあるため、常に細心の注意を払うことが必要です。
 
今回紹介した内容を参考にしながら、キャッシュレス決済の利便性だけでなく、危険性についても意識するように心がけましょう。
 

出典・参考

消費者庁　インターネットをめぐる消費者トラブル
三菱UFJリサーチ＆コンサルティング　キャリア決済を中心としたキャッシュレス決済の動向整理
消費者庁　消費者ホットライン
 
執筆者：下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者