更新日: 2019.01.10 その他暮らし
“実録!”売れる芸人は一握りといわれる「お笑い芸人」の収入と生活の現実
バラエティー番組以外にも、CM、ドラマ、ラジオ、劇場など、活躍の場は幅広く、人気が出れば一獲千金も夢ではありません。人を笑わせて人気を得るという点も、魅力的な職業ですよね。
しかし、憧れる人も多いだけに厳しい世界です。成功する人はほんの一握り…。なかなか芽が出ない芸人さんは、どのような生活をしているのでしょうか。
今回は、お笑い芸人を目指して12年目のぎんちゃん(芸名)にお話を伺いました。
Text:井田正幸(いだ まさゆき)
ファイナンシャルプランナー
大学卒業後、ベンチャーキャピタルにてベンチャー企業への投資業務
シリコンバレーのビジネスインキュベーターでベンチャー企業支援
ブレイク・フィールド社設立 代表取締役社長
Break Field Vietnam Co., Ltd. 会長
Break Field(Thailand) Co., Ltd. 取締役
目次
芸歴12年目のぎんちゃん(34歳・男性)が語る。「養成所で“事務所預かり”になったのは100組中1組」
ぎんちゃんはお笑い芸人を目指して12年目の34歳、男性です。
大学時代、ストリートライブで歌や漫才を披露したことからその楽しさに目覚め、お笑い芸人を目指すことを決めました。
大学卒業後は、お笑いの養成所に入所。1年間の授業料は40万円ほどで、高いところでは60万円くらいだそうです。
ぎんちゃんが入所した時、養成所にはお笑いのコンビが100組ほどいました。しかし、事務所の目に留まり「事務所預かり」となったのはその内のたった1組だけだったと言います。ぎんちゃん含む残りの99組は、事務所に所属することなく養成所を卒業しました。
下積みは地下ライブと事務所オーディション。収入はアルバイトで稼ぐ月15万円
養成所を卒業したあとは、お笑い芸人として売れるための下積みを始めました。
主な活動は、地下ライブと事務所のオーディションを受けることです。地下ライブは、事務所に属していない人がファンや知名度を付けるために、ギャラなしで出演するライブです。
当然、地下ライブと事務所オーディションだけでは、収入はほとんどありません。お笑い芸人を目指す多くの人が、アルバイトで収入を得ます。
ぎんちゃんもこれまでの12年間、ファストフード店やコンビニなどのアルバイトで月に15万円ほど稼いできたと言います。昔は家賃2万9000円の家に住んでいましたが、現在は家賃5万円の家に住んでいるそうです。
12年経った今もお笑いで得る収入は月に1、2万円
ぎんちゃんは6年前に違う養成所に入り直し、1年間勉強をしてから下積みを再開しました。1年前にコンビを解消して、今ではピン芸人です。
日曜日は文化人が集まることで有名な新宿のゴールデン街で働いています。12年経った今でもお笑いで得る収入は月に1、2万円くらいだそうです。
お笑いの世界と自身について、ぎんちゃんに一問一答
Q.12年間お笑い芸人を目指していることについて、後悔はありますか?
A.後悔はしてません。同級生と飲んだりすると、みんな疲れてるなあと思う。ただ、今からお笑い芸人を目指す人には「やめた方がいい」と言いたい。
Q.お笑いの世界が体育会系というのは本当?
A.お笑い芸人は年齢じゃなくて芸歴で上下関係が決まるところもあります。年齢は関係なく、芸歴の長い人が後輩におごるシステムです。僕はお金がないから芸人とは飲みに行きません。
Q.ぎんちゃんから見て、お笑いで成功している人の共通点は?
A.真面目な人が多いと思います。普通を知らない人はおかしなこと、非日常ができないので。あとは自分を客観視できること、「今求められていることはなにか」「このジャンルの芸人が少ない」というようなマーケティング視点を持っていることですね。
Q.将来の夢は?
A.フェスに出られるような芸人になりたいです。
厳しい世界、でも夢を追う彼の姿はすがすがしく感じられました
お笑いで成功する人は、お笑い芸人を目指している中で1%もいないくらいです。しかし、成功すれば月収何百万円が実現できる世界。
決して甘い世界ではありませんが、夢を持って自分の好きなことを追及する彼の姿は、とてもすがすがしく感じました。
私たちは、ぎんちゃんの活躍を心より期待しています。
Text:井田 正幸(いだ まさゆき)
ファイナンシャルプランナー