更新日: 2022.08.12 その他暮らし
「薪・ペレットストーブ」の導入には公的補助が受けられる? 各地の補助メニューを紹介
今冬、薪ストーブやペレットストーブを導入しようとしている方が受け取れる各地の補助金について紹介します。
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
薪ストーブやペレットストーブってどんなもの?
薪ストーブやペレットストーブは石油や電気を燃料として使用せず、主として木材を燃料として使用するストーブです。イメージとしては冬の寒さの厳しい外国で使われる暖炉を小さくして日本向けにアレンジしたような物になります。
薪ストーブでは天然の木材である薪を燃料とし、ペレットストーブでは間伐材や端材など通常捨てられている木材を加工して作られた木質ペレットを燃料とします。石油や電気を燃料として使用しないことから、環境に優しいカーボンニュートラルな暖房器具として注目されています。
薪ストーブやペレットストーブに火をつけたときにパチパチと音を立てて火が踊る様子は見ている人に対して精神的にも暖を与えてくれますし、実際に木材で燃える炎の持つ遠赤外線効果でエアコンなどにはない心地よい暖かさを感じることができます。
薪ストーブやペレットストーブを導入するとなぜ補助金が受け取れる?
薪ストーブやペレットストーブを導入すると各自治体から補助金が交付されます。なぜ薪ストーブの導入によって私たちに補助金が交付されるかというと、国が自治体に対して地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を交付しているからです。
日本は現在、2050年にカーボンニュートラルの実現、2030年度には温室効果ガスの排出量を2013年度比の46%削減を目標としています。その実現のため、意欲的な脱炭素に取り組む自治体に地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を交付しています。
その交付されたお金によって各自治体が薪ストーブやペレットストーブを導入して環境に配慮している家庭へ補助金を交付しているという流れになります。
各地で行われている補助金の概要
日本各地で薪ストーブやペレットストーブの導入に対してどのような内容で補助金が交付されているか紹介します。
なお、各自治体で実施事業の名称、補助金交付の金額や条件などが異なるだけではなく、自治体によっては補助事業を実施していないこともあるという点にご注意ください。
また、どの自治体も基本的に設置前に補助金の申請をすることが要件となっており、事後の申請は認められないことにも注意してください。
山形県村山市
山形県村山市では、木質バイオマス燃焼機器設置事業補助を実施し、ペレット、チップ、薪などを燃料として利用したストーブおよびボイラーを設置した場合に最大10万円の補助金が支給されます。
注意点として、設置完了から30日以内または令和5年3月末のいずれか早い日までに自治体へ設置の報告義務があります。
新潟県糸魚川市
新潟県糸魚川市では、ペレットストーブ設置補助を実施し、ペレットの自動供給機能を有するペレットストーブ購入者に対して、最大15万円の補助金が交付されます。
補助金額が多い反面、利用状況について2年間利用状況の報告をするべき必要があるという手間が生じることにご注意ください。
岐阜県高山市
岐阜県高山市では、木質バイオマス活用促進事業補助金を実施し、ペレットストーブやペレットボイラーを購入した方に対し、1台につき10万円から500万円の補助金を交付しています。
しかし、ペレットストーブの場合は設置後6年、ペレットボイラーの場合は15年間、市長の承認なくして譲渡や貸し付け担保に供してはならないといった制限が付されます。
薪ストーブやペレットストーブを導入するなら補助金の利用検討を
インフレでさらなる物や燃料の価格上昇が予想される今冬、環境に優しい薪ストーブやペレットストーブを導入するなら自治体の補助金を利用することでインフレの影響を緩和することができます。
薪ストーブやペレットストーブの導入を考えられている方は一度お住まいの自治体や補助金の得意な行政書士へ相談してみてください。
出典
環境省 令和4年度(2022年度)エネルギー対策特別会計予算 地域脱炭素移行・再エネ推進交付金
山形県村山市 木質バイオマス燃焼機器設置事業補助
新潟県糸魚川市 ペレットストーブ設置補助
執筆者:柘植輝
行政書士