タクシーが客を見つけて急停止で事故!タクシーは急停止が許される?その時の損害賠償は?
配信日: 2018.04.15 更新日: 2019.01.10
しかし、本来ならルール違反であるそのような行為、タクシーだからと言って許されるのでしょうか。
思わぬ事故に遭ってしまった、Iくんの例を見てみましょう。
Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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弁護士/東京桜橋法律事務所
第二東京弁護士会所属。
中央大学法学部卒。弁護士登録後、東京桜橋法律事務所に勤務。平成25年以降は同所パートナー弁護士に昇格し、主にIT関連、エンタメ関連の企業法務を中心として、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応している。
座右の銘は「強くなければ生きられない。優しくなれなければ生きていく資格はない。」時には、クライアント自身の姿勢を問うようなアドバイスができるよう心掛けている。
目次
バイクでバイトに向かうIくん。目の前にはタクシーが
Iくん(23歳)は、バイトに向かうため、国道の左車線でバイクを走らせていました。前方にはタクシーが見えます。
バイトに遅れそうだったIくんは、いつもよりスムーズに進まない道にイライラしていました。すり抜けをしようかとも思いましたが、以前それでバイクのミラーが車にぶつかってしまったことを思い出し、断念しました。
気が急いていたIくんはタクシーのかなり近くまで車間距離を縮めていたと言います。
客を見つけたタクシーが急停止!バイクごと突っ込んだIくん
横断歩道を通過し、もうすぐバイト先に到着する…という時です。
目の前のタクシーが急停止しました。Iくんは慌ててブレーキをかけたものの間に合わず、バイクごとタクシーに突っ込みました。
タクシーは道の途中でお客さんを見つけて、急停止したようです。
Iくんはその後病院に行きました。奇跡的にも、ケガは軽症ですんだそうです。一方、車とバイクは、それぞれ大きくへこみ、修理が必要な状態となりました。
Iくんのケースのように、駐停車してはいけない場所で急停止したタクシーは罪に問われるのでしょうか。東京桜橋法律事務所の池田理明先生にお伺いしました。
道路交通法上、タクシーは一般車と同じ車両であり、タクシーだからと言って、交通ルールが緩やかに適用されることはありません。
タクシーが急停止したことで交通事故が起きた場合、当然、タクシー運転手にも過失があるとされます。ただし、Iくんのようなケースではバイクのスピードとタクシーの車間距離などが考慮されて過失の割合が決まり、過失割合により損害賠償責任が調整されます。
タクシー事故の対応は、普通の保険会社ではなく「タクシー共済」が担うことが多くあります。タクシー共済はタクシー専門の事故対応に慣れており、時には、タクシードライバーに有利と思えるような交渉をする場合があると言われていますが、言われるがままにならず、主張するべきことはするようにしましょう。
前方がタクシーの場合は車間距離に気を付けよう。事故対応時の主張はしっかりと
たとえ、タクシーであっても一般車両と同じように道路交通法が適用され、タクシーの急停泊も過失とされることが分かりました。
目の前で急に停止されたら、たまったものではありませんよね。前方がタクシーの場合は、いつも以上に注意をはらって車間距離を空けておくことも大事かもしれません。
※Iくんの物語はフィクションです。
Text:ファイナンシャル フィールド編集部
監修:池田 理明 (いけだ みちあき)弁護士
東京桜橋法律事務所、第二東京弁護士会所属 http://tksb.jp/
IT関連・エンタメ関連の企業法務を中心に、相続・不動産・債権回収・破産など幅広い法律事務に対応