住居費の平均が「2万円」!?家賃の平均は実際いくらなの?
配信日: 2022.09.10
しかし、その内訳をみると住居費が2万2101円で、家賃を払っていない人も含んだ数字になっています。また、住宅ローンの返済費は消費支出ではないので考慮されていません。
では、実際に住宅ローンや家賃を支払うとなると、どれぐらいの費用が必要になるのでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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住宅ローンの1ヶ月当たりの返済額は約10万円
国土交通省が発表している「令和2年度(2020年度)住宅市場動向調査報告書」によると、全国で住宅ローンを返済している人の年間返済額の平均は124万7000円で、東京・名古屋・大阪の三大都市圏では134万1000円となっています。月額換算すると、全国平均で10万3000円、三大都市圏で11万1750円となります。
2016年の年間返済額の平均は142万円、2017年は130万5000円でしたが、2018年以降は120万円前後で推移しています。
ちなみに、この調査で住宅ローンの負担感を尋ねたところ、全国で66.8%、三大都市圏に住む回答者では64.3%が「負担感がある」と答えています。
1ヶ月当たりの平均家賃は5万6000円
それでは、住宅を借りている人が支払っている平均家賃はどれぐらいなのでしょうか。
総務省が公表している「平成30年(2018年)住宅・土地統計調査」によると2018年の1ヶ月当たりの平均家賃は5万5695円となっています。また、最も高いのは東京都の8万1001円で、神奈川県の6万8100円、埼玉県の5万9358円が続きました。一方、最も家賃が安くなったのは鹿児島県で3万7863円と、東京都の家賃の半額以下となっています。
東京都内で人気がある駅周辺の家賃相場をみると、中野駅で8万円、荻窪駅で8万2000円、吉祥寺駅で8万円と「住宅・土地統計調査」の結果に近い数字となりました。また、神奈川県で最も人気がある横浜市神奈川区の家賃相場が6万9000円で、こちらも「住宅・土地統計調査」の結果と近い数字です。
いずれにしても、実際に家賃を支払っている立場の人が、月々の住居費を2万円前後で抑えるというのは難しいでしょう。
東京都では公営住宅に住むことも難しい
各都道府県では、年収が少ない世帯を対象に公営住宅を用意しています。事前に申し込み、抽選で当選する必要がありますが、公営住宅に住むことができれば一般的な賃貸住宅を借りるよりも住居費を安く抑えることができます。
公営住宅の家賃は物件のある場所や築年数、間取り、さらには住む人の世帯年収により変わりますが、例えば、東京都23区内にある1969年度に建てられた36平方メートルの部屋に住む場合、1ヶ月当たりの家賃は1万7600円から3万8600円となります。また、1984年度に建てられた55平方メートルの部屋に住む場合の家賃は3万300円から6万6600円です。
東京都内では、2万円台では公営住宅でも住むのは難しい状況となっています。
「家計調査報告」の住居費は実際の家賃の相場とは異なる
「家計調査報告」は家賃を支払っていない人を含めた平均額で、住宅ローン返済費については計算に入っていません。
住宅ローンを支払っている人は1ヶ月当たり10万円前後、家賃を支払っている人は1ヶ月当たり平均約5万6000円の家賃を支払っています。特に、東京23区内でファミリー向けの物件を借りようとした場合、1ヶ月当たり10万円以上の家賃がかかる場合もあります。
「家計調査報告」の住居費の部分については、実際の家賃の相場とは異なるとみた方が良いでしょう。
出典
総務省 家計調査報告(二人以上の世帯)-2022年(令和4年)6月分及び4~6月期平均-
国土交通省 令和2年度住宅市場動向調査報告書
総務省 平成30年住宅・土地統計調査
東京都住宅政策本部 申込み方法、使用料(家賃)、申込みから入居まで
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部