日本学生支援機構の奨学金の返還方法について解説!
配信日: 2022.09.12
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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JASSOの奨学金の返還方法は「自動引落」
JASSOの貸与奨学金の返還は、借りている人が指定した口座から、毎月27日に口座振替によって返していきます。JASSOは「あなたの返還金が後輩奨学生の奨学金としてリレーされる」という意味から口座振替のことを「リレー口座」と称しています。
返還方法は月賦返還と月賦半年賦併用返還の2種類がありますが、月賦返還は返済回数に合わせて毎月27日に口座から引き落とす方法で、月賦半年賦併用返還は毎月の返還に加えて1月と7月に半年分を口座から引き落とします。
奨学金の返還日は毎月27日
奨学金の返還日は毎月27日なので、返還日までには返還金額は入金しておきましょう。返還日に自動引落ができなければ、JASSOから連絡がきます。返還が何度も遅れてしまうといわゆる「ブラックリスト入り」します。
JASSOは、「個人信用情報の取り扱いに関する同意書」提出者のうち、現在奨学金を返還している人は、「延滞3ヶ月以上」の場合に「個人信用情報機関」に個人情報を登録する、としています。新たに返還を始める人は、「返還開始後6ヶ月経過時点で延滞3ヶ月以上」の場合に登録されます。登録の判定は、返還開始から6ヶ月経過後、毎月行います。
個人信用情報機関に個人情報が登録されると、ローンを組もうと手続きした際に審査が通らないなどの事態が生じる恐れがあります。
奨学金の返還日はいつから始まるの?
奨学金の返還日はJASSOからの貸与期間が終了した月の翌月から数えて7ヶ月後から返済が始まります。返還が始まるのは「卒業してから7ヶ月後」ではなく、「貸与期間が終了した月の翌月から7ヶ月後」である点です。場合によっては返還開始の時期が他の人とずれることもあるため、しっかり確認してください。
奨学金の返還が難しくなった際の対処方法
返還が困難だからといってJASSOに連絡せずに返還をやめるとさまざまな不具合が発生します。奨学金の返還が難しくなった際には「救済制度」が準備されています。直ちにJASSOに連絡し、制度を活用しましょう。救済制度は次の通りです。
減額返還制度
例えば、傷病や災害・経済的な理由で奨学金の返還が難しくなった場合に、当初の約束通り返還月額では難しいが、2分の1または3分の1に減額すれば返還できるという場合、適用期間に応じて返還期間を延長する救済制度です。1回の願い出につき12ヶ月まで適用され、延長希望時には改めて願い出る必要があります。
通算適用期間は15年(180ヶ月)が限度です。毎月返還する割賦金を減額し返還期間を延ばすもので、返還予定総額は減額されません。
返還期限猶予制度
傷病や災害、失業など経済的な理由で返還が難しい場合に利用できる制度であり、審査の結果によって認められた期間は奨学金を返還する必要がなくなります。返還猶予が認められた期間分が返済予定月から延長されるだけで、返還すべき元金や利子が免除されるわけではないので注意してください。
心身障害による返還免除
心身障害によって働くことが難しくなった場合や、働くためにさまざまな制限がかけられて奨学金返還ができないと判断されたケースでは、返還されていない奨学金の返還が一部または全額が免除されます。心身障害による返還免除を受けるためには診断書などが必要になるため、心身障害によって返還が難しくなった際には早い段階で医療機関やJASSOに相談してください。
奨学金は繰り上げ返済も可能
奨学金は手元資金に余裕がある場合には繰り上げ返済も可能であり、第一種・第二種ともに繰り上げ返済に対応しています。
特に、第二種の場合、繰り上げ返済すると、繰り上げした分、支払うべき利子が少なくなるため、返済金額を減らしたい場合は、繰り上げ返済を有効的に使うことがおすすめです。繰り上げ返済では普段自動引き落とししている口座から引き落としされます。
まとめ
奨学金はあくまでも借金なので、貸与期間の終了後には返さなければなりません。また、自分の「返済」分が次世代の奨学生の奨学金原資になるため、遅れず「返還」することが大切です。奨学金の返還が難しくなったのであれば、一刻も早くJASSOに連絡して救済制度を活用してください。無断で返還を延滞するとさまざまなトラブルに発展する恐れがあります。
出典
独立行政法人日本学生支援機構 返還が難しくなった場合
独立行政法人日本学生支援機構 死亡又は精神若しくは身体の障害による返還免除
独立行政法人日本学生支援機構 減額返還・返還期限猶予リーフレット
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部