子どもの夏期講習にいくらかかった？中学受験組はいくら払ってる？

この夏、子どものいる家庭では旅行やキャンプ、海水浴などを思い切り楽しんだり、塾の夏期講習で多くの時間を費やしたりとさまざまな過ごし方をしたことでしょう。
 
特に夏期講習は受験を控える学年の子どもにとって重要なものです。実際に夏期講習にはどれくらいの子どもが参加していて、いくらかけているのでしょう。株式会社CyberOwlが実施した「夏期講習」に関する調査結果から一緒に見ていきましょう。

小学生で夏期講習に通ったことがある子どもが6割以上

 
子どもが初めて夏期講習へ通った学年を聞いたところ、「小学5年生」「中学1年生」がいずれも14.4％で最も多い結果となりました。勉強の難易度が上がる小学校高学年と、中学校に入ったタイミングで初めて夏期講習に参加したという子どもが多いようです。小学6年生までに夏期講習に通ったことがある子どもは62.2％と、6割以上にのぼります。
 
夏期講習を探し始めたきっかけを聞いたところ、「受験のため」が33.7％で最も多く、僅差で「子どもの勉強に不安があったから」が33.1％と続きました。他には「子ども本人の希望」（13.5％）、「夏休みの予定が特になかったから」（10.2％）、「友人が通わせていたから」（6.4％）という回答が並びました。
 
小学生では「子どもの勉強に不安があったから」（35.2％）、中学生では「受験のため」（33.7％）、高校生では、「子どもの勉強に不安があったから」「受験のため」がいずれも36.4％で最も多い結果となりました。共働き家庭では、夏休みの期間、日中子どもを1人にさせてしまうため、学童保育の代わりに夏期講習に参加させたという家庭もあるようです。
 

夏期講習の選択は、保護者間の情報交換が決め手

夏期講習を探し始めた時期を聞いたところ、最も多いのは「その年の6月」が31.1％で、4月と5月がそれぞれ約16％と、半数がその年の夏に入ってから探し始めているようです。一方で、「その年の4月以前」（16.9％）と、前の学年の時から探している人もいることがわかりました。
 
夏期講習の情報収集の方法を聞いたところ、「保護者同士の口コミ」が34.0％で最も多く、次いで「インターネット（SNS以外）」が26.5％で、塾のホームページや口コミサイトを見ているようです。また、「チラシ」（18.4％）のほか「子ども同士の口コミ」（13.0％）も参考にしているようです。「SNS」は2.1％と低くなっており、信頼できる人からの評判を参考にしていることがうかがえます。
 

中学3年の夏期講習の平均費用は6.4万円。中学受験する小学6年生では10万円以上が約4割

小学1年生～中学3年生時に夏期講習にかかった費用の平均を見ると、高校受験を目前に控えた「中学3年生」が6万4111円で最も高くなっています。次いで、「小学6年生」が5万1583円で続いており、こちらも中学受験する場合に受講する人が多いことがうかがえます。受験生にとっては夏休みが天王山であり、保護者としても夏期講習で学習を支援したいとより強く思うのでしょう。
 
なお、中学受験する場合としない場合では費用に大きな差があり、中学受験していない場合の小学6年生の夏期講習の平均費用は約3万1032円である一方、中学受験した場合は約7万4123円と、2倍以上となっています。中学受験した場合では「10万円～10万9999円」の価格帯が21.1％で最も多く、「11万円以上」は17.5％と、4割近くが夏期講習に10万円以上支払っているようです。
 
東京都では、私立中学校への進学者が年々増えており、平成27年卒業では全体の17.0％であったのが、令和2年では18.7％となっています。
 
中学受験する場合は夏期講習や通常の塾の授業料に加え、希望の学校に合格した場合は6年間の授業料もかかってきます。文部科学省によると私立中学校の学校教育費は平均107万1438円となっています。
 
夏期講習など子どもの教育にお金をかけるのは、少しでも良い教育環境を与えることで、将来の選択肢を少しでも増やしてあげたいという気持ちの表れといえるでしょう。
 

出典

株式会社CyberOwl 夏期講習についての調査（PR TIMES）

東京都教育委員会 令和3年度 公立学校統計調査報告書

文部科学省 平成30年度子供の学習費調査の結果について

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部