更新日: 2022.10.03 暮らし

どうせ200円台とか300円台……。とは限らないこともある、あの品とは?

執筆者 : 上野慎一

どうせ200円台とか300円台……。とは限らないこともある、あの品とは?
今年・2022年8月に信州方面を旅したときのこと。松本駅近くに宿泊して晩酌で飲食店2店を巡ったのですが、ある品で対照的な対応が印象に残りました。どんなことだったのでしょうか。
 
上野慎一

執筆者:上野慎一(うえのしんいち)

AFP認定者,宅地建物取引士

不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。

対照的な対応の中身とは?

それは「お通し」。居酒屋など飲食店で、席に座ると同時にあるいはお酒や料理を注文した時点で、先に出される少量の料理です。内容はいろいろですが、頼んでいなくても提供される点が特徴。関西では「突き出し」といわれることが多いようです。
 
その価格もさまざまですが、あるアンケート調査[※飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ]では、次のような結果となっています。

●199円以下       3.4%
●200円~299円     10.3%
●300円~399円     48.3%
●400円~499円     11.5%
●500円~599円     17.2%
(以下、引用省略)

400円未満が全体の6割以上を占めています。席料(テーブルチャージ)を兼ねているかもしれないし、頼んだ料理がくるまでの“つなぎ”に少量をつまむだけだから。そんな暗黙の了解に加えて、多くは200円台とか300円台の安さ。「何で、頼んでもいないものを勝手に出すんだ」といったトラブルがあったとは、あまり聞かないように思います。
 
では、松本の地ではどうだったのか。巡った順に仮にA店とB店として状況は次のとおりです。

<A店>

(ロケーション)
●松本駅からはかなり遠く、松本城に隣接する日本銀行松本支店のすぐそば。独立した家屋の店舗。
  (蛇足ながら、日本銀行の支店は県庁所在都市に置かれることが多いですが、長野県では松本市にあります)
(店の雰囲気)
●店内は民芸調で、ゆったりした席の配置。
(当日のお通し)
●ワサビの葉を炒めたものがごく少量。手作り風でピリッとしたつらさが印象的だった。
●価格は無料。

<B店>

(ロケーション)
●松本駅の近く。飲食店街の雑居ビル1階の店舗。
(店の雰囲気)
●店内は普通の居酒屋といった雰囲気。あまり広くない店内に、座敷席と少数のカウンター席が配されている。
(当日のお通し)
●昆布の細切り(粘り気あり)がごく少量。緑色がドギつく、業務用大量パックの既製品といった感じ。
●価格は500円。(200円台300円台の一品料理メニューもある中で500円)

決して「トータルでA店のほうがよかった」と申し上げるつもりではありません。お店ごとに、店作り、料理やお酒のラインアップ、そしてお通しに対するスタンスもそれぞれでしょう。
 
とはいえ、お通しの内容と価格だけにフォーカスすると、また先述の調査結果を改めて見ても、B店の500円はかなり割高だったのではないか。そんな素朴な印象が残ったことだけは確かです。
 

アンケート調査で目についたほかの点

先述のアンケート、コロナ禍以前の調査なので、その時点から今では変容している可能性はありますが、目についたのは次のポイントです。

◇お通しを提供する上で気を付けている事(複数回答可)

●お通しの質にこだわっている         52.9%
●定期的なメニュー変更を行っている        51.7%
●「お通しカット」を可能にしている       31.0%
●お通しの説明を目立つ場所に明記している   24.1%
(以下、引用省略)

お通しを出す以上は、質やバリエーションそして内容説明に気を配ろうとしている。また、(どういう状況なら可能なのかは不明ですが)お客のほうから「お通しカット」できるところもある。飲食店経営者の心意気の一端が感じられるような気もいたします。
 

まとめ

医療の領域などで「インフォームド・コンセント」という用語があります。十分な情報や説明を得たうえで合意すること。つまり「納得ずく」ということでしょうか。
 
大げさにいえば、お通しを提供する場合だって「インフォームド・コンセント」があれば、お店側も胸を張って代金を請求でき、お客も気持ちよく負担できる。そんな相乗効果が生まれるかもしれません。
 
コロナ禍が長引き、飲食店は大きな打撃を受けています。行動制限と人流抑制が以前よりも緩和されてきているとはいえ、ダメージはまだまだ回復途上のところも少なくないでしょう。お通しも貴重な収益源だと位置付けて商売している。ひょっとすると、そんな飲食店だってあるかもしれません。
 
冒頭で触れたように、お通しは席料(テーブルチャージ)も兼ねているかもしれないし、量も少々、価格だって低額だ。そんな暗黙の了解のもと、お通しのことを問題視するような話はあまり聞かれないのでしょう。
 
とはいえ、たまたま対照的なケースに遭遇するなどして、納得感に欠ける店があったらどうするのか。次は、そこには行かない。自衛策はそれに尽きるのでしょう。
 

出典

(※)株式会社シンクロ・フード「飲食店経営者に対し、お通しやサービス料についての調査を実施。お通しを提供する店、提供しない店、それぞれの意見。」(2018年3月14日)(PRTIMES)
飲食店リサーチ
 
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士

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