親は「年収1000万」ですが生活保護は受けられますか?

配信日: 2022.10.09

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親は「年収1000万」ですが生活保護は受けられますか?
生活保護の受給をしたいと考えていても、家族が高収入という理由で申請するのをためらっている人もいるかもしれません。
 
実際、生活保護の申請をした場合、家族や親族に申請者への支援に関する確認調査は必ず行われるものです。支援可能となれば、生活保護の支給は却下されてしまいます。
 
ただ、扶養審査を拒否できないわけではありません。今回は親が高収入だった場合の生活保護の受給について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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生活保護の申請をしてからの流れ

生活保護の申請は日本の国民全員が行うことができるものですが、実際に支給されるかどうかは審査次第です。一般的には申請を却下されやすい条件、例えば、扶養調査で生活費の支援をしてもらえる可能性が高い場合であっても、状況によっては生活保護費の支給が決定するケースもあります。
 

・生活保護の申請から14日前後で結果が通知される

生活保護の申請をすると1週間以内に家庭訪問を受けます。家庭訪問は家族の同居人数や住んでいる環境などを確認するためです。申請から10日以内には3親等内の家族・親族に対して書面で申請者への支援ができるかどうかの確認調査や金融機関に残高照会なども同時進行で行われます。
 
申請から14日以内に生活保護の支給が決定した場合は「保護決定通知書」、審査の結果却下された場合は「保護却下通知書」が自宅に届くので確認しましょう。支給が決定した場合、通知書には決定理由と支給される金額が記載されています。
 

・生活保護の申請をすると、原則家族や親族に確認調査が入る

家族や親族に行われるのは扶養調査といいます。3親等内の直系家族が対象で、親・子ども、兄弟姉妹、おじ・おば、祖父母、姪(めい)・甥(おい)などです。支援が可能であれば、生活保護の支給は却下されますが、断られた場合や返答がなかった場合は、生活保護の対象になります。
 
家族や親族であっても必ず養わなければならない義務はないからです。実際、扶養調査に対して「支援できない」と返事がくるケースも少なくありません。親の年収が高額であっても支援自体を断られてしまえば、申請者の年収や生活状況でのみ審査が行われます。
 

扶養調査を拒否することも可能

生活保護の申請をした際に行われる扶養調査。ただ、さまざまな理由により家族とのかかわりを望まない人や、家族に生活保護を申請したと知られたくない人もいるのではないでしょうか。
 

・家族や親族に対する扶養調査は断る権利がある

令和3年3月に「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」の一部改正が行われました。これによって、家族や親族に対する扶養調査を断ることができます。拒否したい意思表示とともに、家族・親族に対する扶養調査が適切ではない理由を説明しましょう。
 

・扶養調査を拒否できる例

扶養調査を拒否する理由として、例えば、家族からDVや虐待を受けていた場合は再び関わりを持つことで本人に危険が及ぶ可能性があったり、精神的な苦痛を受けたりする可能性が高いので拒否することが可能です。
 
また、家族・親族からすでに借金をしている場合も、さらに生活費の支援までしてもらうことは難しいと考えられるため、扶養調査を拒否できます。
 

扶養調査は拒否することもできる

生活保護の申請をすると、一般的には扶養調査が行われます。これは3親等内の直系血族に申請者への支援が可能かどうかを確認する調査です。
 
ただ、扶養調査は断ることができますし、もし行われたとしても家族・親族が支援を断ることができます。生活保護は国民が利用できる権利ですから、必要であればまずは申請してみましょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度
つくろい東京ファンド 生活保護の扶養照会の運用が改善されました!照会を止めるツール(申請者用、親族用)を公開しています。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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