新車の値引き交渉で「相見積もり」のために奔走するのはコスパが悪い?
配信日: 2022.10.18
新車を購入する際に価格を抑える代表的な手法として「相見積もり」を取ることが挙げられます。
今回は、相見積もりを取ることが本当にコストパフォーマンスを改善させるのかについて、金銭面の「損得」以外を含めた総合的な視点で確認してみましょう。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
新車の相見積もりで得られる効果
まず、新車を購入する時に複数の店舗で相見積もりを取ることによってどのようなメリットが得られるのか、購入価格と満足度という2つの視点から考えてみましょう。
安く購入できる
複数店舗で相見積もりを取るメリットとして、購入価格を抑えられることが挙げられます。
同じ車で同じ仕様(オプション)の見積書を資本の異なるディーラーで取得し、その店舗間で比較すると、諸費用の違いに気づくことができます。もちろん初回の見積もりは定価ベースになるはずなので、数千円程度の違いかもしれませんが、購入価格の差額に気づくことができるでしょう。
また、商談を進める過程でディーラー間の値引き額の差を知ることができます。値引き額が違えば最終的な支払価格も変わってくるため、より安いディーラーを選択して購入することができるでしょう。
高い満足度が得られる
相見積もりによって得られるメリットは金額面だけに限りません。複数回の商談を重ねた結果として欲しい車をより安く購入することができれば、努力が報われることで精神的な満足感を得ることも期待できるでしょう。
相見積もりを取るために動くことのデメリットとは
前段で相見積もりを取ることのメリットを紹介しましたが、反対に、デメリットには何があるのでしょうか。
ここでは相見積もりを取るために奔走することで生じるデメリットを考えてみます。
時間と体力を大幅に消耗する
相見積もりを取ることは、時間と体力を相当程度、消耗することになるでしょう。仮に1店舗につき1時間、商談時間に費やす必要があると仮定し、見積もりの比較のために3店舗回れば合計3時間。移動時間を含めると必要な時間はさらに膨らむでしょう。
もし相見積もりの結果として1万円程度安く買うことができたとしても、同じ時間を他の事業や副業に当てた場合と比較して、機会損失が上回ることにならないかについては注意が必要です。
ディーラーの心証が悪くなる可能性も
複数の店舗で見積書をもらって値引き交渉を重ねる顧客は、販売サイドから「面倒な客」と見なされる可能性があります。仮に競合相手に勝つために無理に値引きをして成約を勝ち取ったとしても、そのあとのアフターサービスでも過度な値引きやサービスを要求されるのではないかと警戒されかねません。
ディーラー側が表面に感情を出さない場合であっても、少ない値引き交渉の回数で購入した顧客より、その後の対応が悪くなってしまう可能性があるかもしれません。
新車を安く買うためには効率よく立ち回ろう
新車は数百万円規模の買い物となりうるため、少しでもお得に購入したいものですが、本記事で解説した通り、価格交渉もやりすぎると時間を無駄にしてしまう上、ディーラーとの信頼関係を損ね、長い目で見ればその後のカーライフに支障をきたす可能性もあります。
相見積もりを取って比較すること自体は決して悪いことではありませんが、何事も「ほどほど」が大切ですね。
執筆者:宇野源一
AFP