質屋ってどんなところ? 消費者金融やリサイクルショップとの違いは?
配信日: 2022.10.19
質屋とは、どのようなところでどのようにお金を借りるのか、消費者金融やリサイクルショップとはどう違うのかを見ていきましょう。
執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)
田久保誠行政書士事務所代表
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員
行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。
目次
質屋とは
質屋では、利用者が所有している品物を担保とし、その評価額(査定額)の範囲内でお金を借りることができます。つまり、不用品などを「買い取ってくれる」ということではありません。
このとき持ち込んだ品物は、お金と引き換えに質屋に担保として預けることになります。基本的には契約日から3ヶ月が期限となり、その間に元金と質料(質契約の際に元金に対してかかる質屋の利息保管料)を返済すれば、品物はご自身に返却されます。
また、質契約の最大の特徴は、返済の義務がないので借入金に対する支払いの催促や取り立てなどがないことです。返済しない場合は、持ち込んだ品物の所有権はなくなりますが、借入金や未払い質料の支払いを免れることになります。
質流れ(期日までに借入金の返済がなく、質屋に所有権が移ること)に伴う手数料などの支払いや、その他ペナルティーはありません。また、超過分の質料を払えば期限を延長することもできます。
質入れと買取の違いは? 利用時に必要な書類等は?
質入れは、持ち込んだ品物を担保にしてお金を借りることです。借りることができる金額の目安は、一般的に買取金額の8割程度です。流質期限が近づいたり、質流れになったりした場合でも、原則として質屋から連絡することはないので注意が必要です。
買取は、持ち込んだ品物の査定をして、その品物に見合った金額で買い取ってくれることです。原則的に、一度買取(売買)が成立した品物は返品してもらうことはできません。
よって商品を高く売りたい場合は「買取」、いずれ品物を取り戻したいと考えている場合や、一時的にお金が必要な場合は「質入れ」がよいでしょう。質屋を利用する際は、運転免許証、健康保険証、パスポートなど、ご本人確認ができる公的な証明書が必要です。
質屋と消費者金融の違いは?
質屋と消費者金融の違いは表1のようになります。
【表1】
利息を払い続けることで、期限を延ばすことができるのが質屋からの借り入れの特徴です。例えば、銀行や消費者金融で借り入れをする時、最初の手続きとして返済の期日を決定することが通常ですが、質屋の借り入れでは返済の期日を決めないのです。
とはいえ、長期にわたり利息を払い続けるわけにもいかないので、お金の借り入れは計画的に行って、1日でも早く完済することを目指しましょう。質屋も消費者金融も利用する際は、それぞれのメリットやデメリットを見て比較・検討しましょう。
質屋とリサイクルショップはどこが違うの?
両者の大きな違いは、リサイクルショップでは品物の売買しかできませんが、質屋では質預かり(持ち込んだ品物を担保にお金を借りること)ができるという点です。
質屋の利用方法は?
質屋でお金を借りる場合は、質屋に預ける品物と運転免許証やパスポートなどの身分証明書を持っていきます。買取の場合は郵送等が可能ですが、お金を借りる場合には必ず店頭で行わなければいけません。
借入金額が決まった後は、身分証明書を見せて、氏名、住所、生年月日、連絡先などを書類に記入します。そして、お金を現金で受け取って、「質札(しちふだ:預かり証)」を受け取り、手続きは終了です。
お金を借りることには変わりない!
買取をしてもらうことが前提でない場合、質屋を利用することは金融機関や消費者金融同様、お金を借りるということには変わりありません。利用の際は、計画的な返済計画を立ててから借りるようにしましょう。
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表