子ども2人を私立の大学まで通わせるとしたら通算でいくらくらいかかる?

配信日: 2022.10.26

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子ども2人を私立の大学まで通わせるとしたら通算でいくらくらいかかる?
大卒への進学が珍しくはない現代、子どもを大学まで卒業させてあげたいと思う親は少なくはないでしょう。一方で進学するとなれば学費について気になるところでもあります。子ども2人を私立の大学まで通わせると、どれくらいの教育費用が必要になるのでしょうか。
 
世帯年収600万円の世帯を例に、子ども2人を幼稚園から私立の大学まで通わせるとしたら通算いくらかかるのか確認してみます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

幼稚園の学費は?

文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」によれば幼稚園の学費は公立なら3年間で65万円ほど、私立だとその2倍以上となる158万円程度もかかるようです。
 

公立 私立
3歳 188,342 551,652
4歳 217,121 491,275
5歳 243,625 541,850
合計 649,088 1,584,777

※文部科学省 平成30年度子供の学習費調査より筆者作成
 

小学校の学費は?

小学生から義務教育に入りますが、公立であろうと私立であろうと一定額の学費は必要となります。特に公立小学校であれば授業料は原則無償なのですが、教科書代や課外活動の費用などは発生します。
 
小学校6年間でかかる学費は公立でもおよそ193万円となります。私立なら959万円と高額になります。私立となると公立のように授業料が無償となるわけではないので、かなり高額な金額となっています。
 
単位:円

公立 私立
1年生 350,860 1,892,002
2年生 263,310 1,366,148
3年生 292,950 1,415,910
4年生 309,617 1,497,087
5年生 339,132 1,630,684
年生 370,940 1,790,314
合計 1,926,809 9,592,145

※文部科学省 平成30年度子供の学習費調査より筆者作成
 

中学生にかかる学費は?

中学生も義務教育ですが、公立であっても小学生のように一定の学費がかかります。公立でも3年間でおよそ146万円、私立なら422万円ほどかかります。
 
単位:円

公立 私立
1年生 456,582 1,624,661
2年生 436,183 1,230,122
3年生 569,348 1,362,389
合計 1,462,113 4,217,172

※文部科学省 平成30年度子供の学習費調査より筆者作成
 

高校でかかる学費は?

高校になると義務教育を卒業します、公立であろうと私立であろうと授業料が発生するようになります。それに伴い、公立では3年間で137万円ほどの学費が、私立なら290万円近くの学費が必要となります。
 
単位:円

公立 私立
1年生 507,980 1,160,016
2年生 460,470 893,127
3年生 403,622 851,087
合計 1,372,072 2,904,230

※文部科学省 平成30年度子供の学習費調査より筆者作成
 

大学にかかる学費は?

日本政策金融公庫の「令和3年度教育費負担の実態調査結果」によれば、大学の入学から卒業までにかかる費用は国公立でおよそ481万円、私立大学文系ならおよそ690万円、私立理系であればおよそ822万円もの学費が必要となるようです。
 

区分 学費
国公立 481万円
私立文系 690万円
私立理系 822万円

※日本政策金融公庫 令和3年度教育費負担の実態調査結果より筆者作成
 

私立大学まで通算でいくらかかる?

ここまでのデータを基に、子どもを私立理系大学まで通学させるとなると、幼稚園から公立までは全て公立だったとしても、子ども1人当たり1363万円、2人なら2726万円程度はかかります。
 
単位:円

高校まで公立 全て私立
幼稚園 649,088 1,584,777
小学校 1,926,809 9,592,145
中学校 1,462,113 4,217,172
高校 1,372,072 2,904,230
理系大学 8,220,000 8,220,000
合計 13,633,082 26,518,324

※筆者作成
 
それに対して全て大学まで私立に進学し、大学は私立理系という場合、一人当たりおよそ2650万円、2人とも私立理系に進学をさせると5300万円と多大な学費が必要になります。
 
あくまでも統計上の数値であるため、実際にはもっと少ない、あるいは大きな額の学費が必要ということもあり得ます。いずれにせよ、子どもを2人、私立の大学まで通わせるのであれば、2500万円以上は学費がかかると考えていくべきでしょう。
 

幼児保育の無償化と高校無償化の活用を


 
年収600万円の世帯において2500万円以上の教育費用の確保というのはそう簡単ではありません。しかし、現在では教育支援の拡充が図られています。年収600万円の世帯であれば、幼児保育の無償化や高校無償化といった制度の対象となります。
 
幼児保育の無償化においては、3歳から5歳のクラスの幼稚園の利用料が原則無償となります(無償なのは利用料であり、行事参加費用などはかかります。一定の対象とならない幼稚園は月額2.57万円という上限があります)。
 
また、年収600万円であれば、公立高校、私立高校ともに授業料が無償化となります(無償なのは授業料であり、その他の費用は発生します)。これらを利用することで、幼稚園の授業料相当額と、高校の授業料相当額が無償となります。
 
仮に幼稚園の授業料が毎月2.57万円、私立高校の授業料において年間39万6000円が3年間無償となったとすると、子ども2人で合計423万円ほど教育費が安くなります。
 

幼児保育の無償化と高校無償化の活用を

子ども2人を私立の大学に通わせるとなると、2500万円以上は学費で必要となりそうです。
 
しかし、学校ごとに学費は異なりますし、各種無償化の制度の存在や家庭の方針など個別の事情によって具体的な学費の金額は異なるはずです。
 
年収600万円の世帯で子どもを2人、私立の大学までと考えているのであれば、2500万円の学費を目安にどのような学校に子どもを進学させるのか、無償化制度を使うとどれくらい実質的な負担が軽減されるかなどシミュレーションをし、できるだけ早い段階から将来の学費について貯蓄や資産運用などで準備をしておく必要があるでしょう。
 

出典

文部科学省 平成30年度子供の学習費調査 学校種別の学習費

文部科学省 平成30年度子供の学習費調査 調査結果の概要

日本政策金融公庫 子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少~令和3年度「教育費負担の実態調査結果」

文部科学省 平成30年度子供の学習費調査の結果について

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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