更新日: 2022.10.25 子育て
子どもに小学校のお受験をさせたいけれど……お金はいくらかかるの?
今回は、小学校受験までの費用、そして入学・在学時の費用など、小学校受験におけるお金まわりの情報を、公立小学校の場合と比較して紹介します。
執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)
田久保誠行政書士事務所代表
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員
行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。
受験までの費用は?
小学校入試の際、多くのお子さんは受験まで学習塾などに通います。仮に、幼稚園・保育園の年中から年長までの受験時期に通ったとしても、その費用は決して安くはありません。ただし、志望校によってはもっと早い時期から準備をするケースもありますので、それ以上に費用がかかることも想像できます。
実際にかかる費用例として
(1) 幼児教室や塾の月謝
(2) 季節講習会や受験直前講習会などの費用
(3) 模試や教材の費用
(4) その他の習い事の費用
などが挙げられます。
幼児教育や塾は1ヶ所に通う場合もありますが、複数通う場合もあります。例えば1ヶ所あたり月2万円とした場合、2ヶ所に通う場合は1年で約50万円になります。1回数万円かかる講演会もありますし、模試を受ける場合も費用がかかります。これらは一度だけ受講・受験というわけではないことが多く、トータルの費用が十数万円になることもあるかもしれません。
受験料は、国立の場合は3000円程度ですが、私立の場合は2~3万円で、仮に私立を3校受験すればおよそ10万円かかります。また、受験料以外にも受験会場が遠ければ交通費や宿泊費が必要です。入学式に着るための被服費などについては、子どもだけでなく親御さんの分もかかることがあります。
入学時の費用は?
難関を突破して合格、そして入学となった場合、国立小学校に入学金はありませんが、私立小学校は平均的な入学金としておよそ30万円が必要です。また、第一志望の結果が出る前であれば、すでに合格している学校の入学金を支払うことになるケースが多く、2校分の入学金が必要となります。
入学する学校が決まったら、学校指定の制服やカバンなどを購入したり、施設設備費・寄付金などを支払ったりと、その後もさまざまな費用がかかる場合があります。
卒業までの費用は?
少し古い資料になりますが、「平成30年度子供の学習費調査」によると、私立小学校に通わせている児童の世帯の、年間収入別の割合は表1の通りで、80%が世帯年収800万円以上となっています。
【表1】
また同調査によると、公立小学校と私立小学校の学習費は表2のとおりです。
【表2】
つまり、公立と私立とでは約5倍の開きがあり、これが6年間ですと平均で800万円の差が出てきます。
あくまでも小学校卒業までの費用
これまで記載してきた内容は、あくまでも小学校卒業までの費用です。一般的な私立小学校であれば、この後に同じ中学校、高校と通うことになりますので、当然その教育費がかかってきます。
一般的には、小学校より中学校、高校のほうが授業料が安い傾向にはありますが、それでも公立と比べると費用はかかるでしょう。
生活に支障をきたさないように
今回は、小学校受験前から小学校卒業までの費用について見てきました。
もちろん、この後中学・高校・大学と続いていきます。家計の3大支出での1つである教育費は、お子さんのためには大切な費用ですが、ご自身とご家族の暮らしを考えるとどこまで費用をかけることができるのか、ご両親など(子どもの祖父母など)からどれだけ援助が受けられるのかを確認したうえで、お受験に挑戦するとよいでしょう。
出典
e-Stat 平成30年度子供の学習調査
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表