更新日: 2019.01.10 その他暮らし
AI(人口知能) と 人手不足の綱引きの中でのキャリアアップ!?
一方で、企業では、AI(人工知能)の積極的な導入が進んでいます。AIが進めば人手はいらなくなり、かといって人手不足は深刻化の一途。
このような環境下での就職状況はどうなのか考えてみたいと思います。
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com
第4次産業革命により、AIができることが急拡大
ITによる生産の自動化が注目を集めるようになったのはつい数年前のことですが、最近はとくにデータ解析の分野における人工知能の進出が顕著になりました。アプリなどでは、万歩計のような歩行記録を登録して健康管理に役立てようというものがあります。
そのほか食事のメニューなども登録できるような機能を備えたものもあります。
企業側はそこから集めた大量のデータを解析して、年代ごとの食事や運動、ライフスタイルなど生活全般における行動パターンを把握し、その人の消費行動にダイレクトに働きかけるより効果的な健康食品やスポーツウェアなどの広告に結びつけることができるのですから、従来の人間の役割をそのまま引きつぐかあるいはそれを上回る働きを実現しています。
SMACではカバーしきれないエリアを追求する
SMAC(ソーシャル・モバイル・アナリティクス・クラウド)が網羅できる領域は急速に膨らんでいるため、人手不足問題はやがて解消されるのではと思えるほどです。
現在、有効求人倍率をひときわ押し上げているのは、建設と介護部門であると言われていますが、そこにもAIの導入が検討されています。そんな環境下で職業人として生き残るエリアは、AIではカバーできない部門です。
具体的には「痒い所に手が届く」柔軟さでしょう。例えば先ほどの健康管理アプリの場合、膨大な利用者の行動パターンを分析することによって、瞬時に最も効果的なダイエットメニューを提供することはできます。
しかし、実行主体は、感情をもった人間です。「今日は『なんだか』やる気がでない」「仕事で『いつも以上に』疲れた」から勉強できない」、といったときに、オーダーメイドの対応が必要になります。
ここではビッグデータは有効には機能しません。この「なんだか」という部分を数値化するのはAIでは、非効率な作業になると思われるからです。
「感情のひだを読む」スキルを獲得して、就労機会、キャリア・アップを確保
座学でのスキルを磨くという時代から、クライアントの「心を読み取る」「感情のひだを読む」「口には出さないが言いたいことを理解する」といったソフトスキルを身につけることが、仕事を獲得し、失業率が将来的に上昇し、有効求人倍率が低下する時代に備えて求められると思われます。
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表