「エアコン・電気毛布・こたつ」一人暮らしにおすすめの暖の取り方って？

厳しい冬を乗り切るためには、エアコンやこたつといった暖房器具が欠かせません。しかし、そうした暖房器具は電気を使うため、使いすぎれば今度は電気代が心配になってきます。
 
では、電気代を最大限に節約しながら、最も効率的に暖を取れる暖房器具は何なのでしょうか。そこで今回は、「エアコン」「電気毛布」「こたつ」の中から、一人暮らし（首都圏以南を想定しています）の暖の取り方としてコスパが良いのはどれか検証してみます。

エアコンの電気代はどれくらい？

電気代を算出するためには、まず「1時間当たりの消費電力（キロワット＝kW）」「使用時間（時間＝h）」「料金単価（円／kWh）」という3つの単位を知ることが必要です。「1時間当たりの消費電力」は、電化製品それぞれの説明書などに記載されています。
 
「使用時間」は、単純にその電化製品を使用し続けた時間です。「料金単価」に関しては、電力プランや地域によって異なり、電気料金の明細表などで確認できます。
 
まず「エアコン」の電気代から計算してみましょう。エアコンの暖房稼働時に消費する電力を「1時間当たり440W」として算出します。kW（キロワット）に換算すると「0.44kW」になります。使用時間は1日8時間と想定し、料金単価は全国家庭電気製品公正取引協議会（家電公取協）が全国の電力料金の値上がりを踏まえ、2022年7月に改定した電気料金の目安単価「1kWh当たり31円」とします。
 
計算式は「0.44kW×8時間×31円／kWh」です。
 
すなわち、エアコンを1日8時間稼働させたら、109.12円の電気代がかかることになります。仮に月20日間同じペースでエアコンを使ったとしましょう。その場合、1ヶ月の電気代は「2182円」となります。同様に「30日間では3274円」となります。
 

電気毛布の電気代の目安

「電気毛布」の電気代も同じ計算式で算出することが可能です。電気毛布の1時間当たり消費電力を60Wとし、kWに変換して0.06kWで計算してみましょう。エアコンと同じ条件で稼働させたとして、計算式に当てはめると「0.06kW×8時間×31円／kWh」です。求められる金額は14.88円、月に20日稼働させた場合は298円となります。同じく「30日間では446円」となります。
 
もちろん、電気毛布は主に就寝時に布団に敷いたり、あるいは毛布として掛けたりして用います。ですから、就寝時はエアコンで部屋を暖めて寝るより、電気毛布で布団を温めて寝たほうが電気代としては効率的だということです。
 

こたつの電気代は？

同条件でこたつの電気代も算出してみます。こたつの1時間当たり消費電力は130W、すなわち0.13kWです。計算式は「0.13kW×8時間×31円／kWh」となります。金額は32.24円となり、月に20日間の稼働で電気代の月額は645円です。同様に「30日間では967円」となります。
 
以上の結果を比べると、エアコンよりこたつのほうが電気代は安上がりに済むことがわかります。もちろん、暖房器具は使い方や気象条件などによって消費電力は変わるため、一概にこたつのほうが安いとはいいきれない部分もあることは事実です。ただ、こたつの場合は余熱で中を温めることもでき、電気代を節約しながら暖を取りやすい家電だといえます。
 
いっぽう、エアコンは電気代こそ高い金額になりがちですが、部屋全体を暖めることができるため、暖の取り方としてはこたつより快適です。より節約を考えるなら、エアコンの設定温度を低めにし、部屋全体を暖めながら、足元はこたつの余熱で暖を取るなど、エアコンとこたつを併用する使い方もあります。
 

コスパ的に効率的な暖の取り方とは！

 
「エアコン・電気毛布・こたつ」の中では、電気毛布が最も電気代としては安い暖房器具です。いっぽう、エアコンとこたつでは、こたつのほうが電気代は安く、かつ余熱で足元を温められるといった点から、一人暮らしの暖の取り方としては効率的です。つまり、昼間はこたつで暖を取り、就寝時は電気毛布を使うことが、コスパ的には最も効率の良い暖の取り方だといえそうです。
 
さらに、服装を厚着や重ね着にし、温かい食事を取り、電気器具の設定温度を下げればいっそう節電することができます。いっぽう、より快適さを求めていくなら、設定温度に気を付けつつ、エアコンを併用してみても良いでしょう。
 

出典

公益財団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 「電気料金の目安単価」改定に関する件（2014年4月28日）

公益財団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 Qカタログなどに載っている電気代はどのようにして算出するのですか？

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部