親は「年収1000万」なのに大学費用を払ってくれない…奨学金を借りることはできる?

配信日: 2022.11.14

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親は「年収1000万」なのに大学費用を払ってくれない…奨学金を借りることはできる?
大学や大学院への進学の際に考えなければいけないのが学費を含めた教育費の支払いです。家計が厳しい場合は奨学金を利用することも選択肢の一つです。しかし、家庭によっては親の年収が高くても、大学費用を払ってくれないことも考えられます。
 
家庭の方針で高校を卒業したら就職するべしという親の反対を押し切って進学を目指す場合、親が学費を払ってくれる見込みは無いでしょう。そもそも、法的に親の扶養義務は子が18歳になるまで、その子も民法改正により18歳からは成人です。果たしてこうした場合でも奨学金を利用することができるのでしょうか?
 
そこで本記事では、親の年収が1000万円でも奨学金を借りることができるのかについて解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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奨学金の家計基準

奨学金制度は、経済的な理由で大学や大学院などへの進学を諦めてしまう学生などのために、教育費のサポートをするための制度です。そのため、収入や資産を参考にした家計基準が定められています。
 
奨学金制度は、給付奨学金と貸与奨学金に2種類があり、貸与奨学金はさらに第一種奨学金と第二種奨学金とに分けられます。それぞれの家計基準について見ていきましょう。
 

給付奨学金

給付奨学金は返済の必要が無い奨学金であることから、「大学(高等教育)の無償化」とも呼ばれています。返済が不要なので、利用するための基準は厳しくなっているのが特徴です。
 
給付奨学金の家計基準は、「収入基準」と「資産基準」の2つがあり、それぞれの基準を満たさなければ利用できないようになっています。仮に親の年収が1000万円の場合は、収入基準を満たすことができません。そのため、親の年収が1000万円の場合は給付奨学金を利用することができないといえます。
 

第一種奨学金

貸与奨学金の中でも第一種奨学金は、無利子で借りることができる奨学金です。無利子で借りることができるので、有利子の第二種奨学金よりも基準は厳しくなっています。
 
第一種奨学金の家計基準は、収入や所得について上限が設けられています。目安としては、世帯人数が3人の場合は給与所得が657万円で給与所得以外の収入が286万円となっています。
 
また、世帯人数が4人の場合は給与所得が747万円で給与所得以外の収入が349万円です。このことから親の年収が1000万円の場合は、収入や所得の上限よりも高いので第一種奨学金を利用することはできません。
 

第二種奨学金

貸与奨学金の中で第二種奨学金は有利子で奨学金を借りることができる制度です。
 
第二種奨学金の家計基準は、第一種奨学金と同様に収入や所得について上限が設けられています。目安としては、世帯人数が3人の場合は給与所得が1009万円で給与所得以外の収入が601万円となっています。
 
また、世帯人数が4人の場合は給与所得が1100万円で給与所得以外の収入が692万円です。このことから親の年収が1000万円の場合でも、第二種奨学金であれば奨学金を借りることができます。
 

親の年収が1000万円でも奨学金を借りることは可能

本記事では、親の年収が1000万円でも奨学金を借りることができるのかについて解説してきました。給付奨学金や第一種奨学金は家計基準を満たすことが厳しいため利用することができませんが、第二種奨学金であれば利用することは可能です。
 
しかし、奨学金制度は家計基準以外にも学力基準や申込資格があるので、そちらも確認しておきましょう。また、第二種奨学金は有利子で返済していかなければいけません。将来的な負担についても考えて借りることを検討してください。
 

出典

独立行政法人 日本学生支援機構 進学前 (予約採用)の給付奨学金の家計基準

独立行政法人 日本学生支援機構 進学前 (予約採用)の第一種奨学金の家計基準

独立行政法人 日本学生支援機構 進学前 (予約採用)の第二種奨学金の家計基準

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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