更新日: 2022.11.30 子育て

幼児教育・保育の無償化は「全部無料」ではない? どこまで無償化してくれる?

幼児教育・保育の無償化は「全部無料」ではない? どこまで無償化してくれる?
幼児教育・保育の無償化制度によって、全ての費用が無料になると思い込んでいませんか? 無償化制度といっても、幼児教育・保育にかかる費用が完全に無料となるわけではなく、一部実費の生じるものもあります。
 
今回は、幼児教育・保育の無償化によって無料となる範囲について確認していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

幼児教育・保育の無償化制度の概要

幼児教育・保育の無償化制度とは、0歳から5歳までの子どもが通う幼稚園や保育園、認定こども園、認可外保育施設など幼児教育・保育を行う施設にかかる利用料が、一定の上限額まで無料となる制度です。無料となる上限額は施設によって異なります。
 

幼稚園、保育所、認定こども園など

幼稚園、保育所、認定こども園や地域型保育などを利用する場合、3歳から5歳までの子どもの利用料が無料となります(子ども・子育て支援新制度の対象とならない幼稚園は月額2万5700円まで)。
 
0歳から2歳の子どもは、保育所などを利用する最年長の子どもを第1子とカウントし、第2子は利用料が半減、第3子以降は無料となります(年収360万円未満相当世帯は第1子の年齢は不問)。住民税非課税世帯の場合、子どもの数に関係なく無料となります。
 
なお、子ども・子育て支援新制度の対象とならない幼稚園の場合は、無償化に関する手続きが必要なこともあります。詳細についてはお住まいの市区町村にご確認ください。
 

幼稚園の預かり保育

幼稚園の預かり保育の場合、3歳から5歳の子どもについて、最大で月額1万1300円まで無料となります。無償化の対象となるには、保育の必要性について認定を受ける必要があります。
 

認可外の保育施設など

認可外の保育施設(一般的な認可外保育施設の他、認可外の事業所内保育、一時預かり事業、病児保育事業など)の場合、3歳から5歳の子どもについては月額3万7000円まで、0歳から2歳の子どもについては住民税非課税世帯を対象に月額4万2000円まで、それぞれ無料となります。
 
ただし、無償化の対象となるには、保育園や認定こども園などを利用できない方が市区町村に申請し、保育の必要性について認定を受ける必要があります。
 

就学前の障害児の発達支援

就学前の障害児の発達支援については、満3歳になった最初の4月1日から小学校入学までの3年間、利用料が無料となります。幼稚園や保育園などと併用する場合、どちらも無料となります。
 

無償となる範囲は?

幼児教育・保育の無償化の対象となる費用の範囲は、原則として利用料のみであり、それ以外の費用に関しては対象外になります。
 
例えば、通園の送迎費や食材料費、行事にかかる費用など利用料以外に発生する諸費用については、実費として支払う必要があります。なお、年収360万円未満相当世帯の子や、年収に関わらず第3子以降の子の場合は副食(おかずやおやつなど)の費用が免除されます。
 
また、これまで見てきたように、利用料についても全額が無料となるわけではなく、上限額を超える範囲については実費となります。無償化制度とはいえ、その全てが無償化するわけではないということは知っておきましょう。
 

幼児教育・保育の無償化は全部無料になるわけではない

幼児教育・保育の無償化と聞くと、幼稚園などで必要となる費用の全てが無料になるように感じてしまいます。
 
しかし、実際にはそうではありません。無償化になるのはあくまで一定の上限までの利用料に限られます。上限額を超えた部分や送迎費、食材料費、行事に参加する費用などは原則実費で支払う必要があります。
 
幼稚園や保育園など幼児教育・保育施設を利用する際は、幼児教育・保育の無償化制度について正しく理解し、その上で利用する施設を決定するようにしましょう。そうすることで、教育費が想定以上に高くなってしまう事態なども防ぐことができるはずです。
 

出典

内閣府 幼児教育・保育の無償化について(日本語)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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