更新日: 2019.08.07 その他暮らし
年収700万円以下の管理職にはなりたくない!<30代、40代の金銭感覚調査>
ライフイベント(結婚、出産&子育てなど)にどの程度の収入が必要と思うか?
30代・40代は、結婚や出産・子育てといったライフイベントを迎えるにあたり、どの程度の収入が必要だと考えているのでしょうか。
全回答者(1,000名)に、結婚や出産・子育てなどをしたいと思える世帯年収額を聞いたところ、以下のような回答でした。
■結婚について
「年収400万円あれば」(16.0%)や「年収500万円あれば」(20.9%)に回答が集まりました。結婚における収入面のハードルは世帯年収400万円~500万円程度と考えている30代・40代が多いようです。また、年収400万円で結婚をしようと思える割合(「年収400万円あれば」までの累計、以下同様)は44.6%、年収500万円では65.5%となりました。
■出産・子育て(1人)について
「年収400万円あれば」(13.3%)や「年収500万円あれば」(20.6%)に回答が集まり、<出産・子育て(2人)>では、「年収500万円あれば」(15.6%)や「年収600万円あれば」(14.0%)に回答が集まりました。子ども1人の子育ては世帯年収400万円~500万円、子ども2人なら世帯年収500万円~600万円が収入面のハードルだと考える30代・40代が多いようです。
年代によってライフイベントに対する姿勢が違う
では、これらのライフイベントに対する姿勢は、年代によって傾向に違いはみられるのでしょうか。1世帯当たりの所得金額の中央値は427万円と発表(※3)されているため、これを“一般的な世帯年収の目安”として、年収400万円で結婚や出産・子育てに前向きになれる割合を確認していくことにします。
(※3)厚生労働省「平成27年 国民生活基礎調査の概況」より
■年収400万円で<結婚>をしようと思える割合
まず、年収400万円で<結婚>をしようと思える割合を年代別にみると、以下のようになります。
20代=48.8%
30代=46.6%
40代=42.6%
年代が上がるほど結婚をしようと思える割合が低くなることがわかりました。昨今、未婚率の増加による少子化が懸念されていますが、一般的な世帯年収が確保できる場合では、若い年代ほど結婚に対して前向きな姿勢を持っていることがわかりました。
男女・年代別にみると、男性は全体の傾向とは異なり、若い年代ほど年収400万円で結婚をしようと思える割合が低く、20代男性で40.0%、30代男性で44.0%、40代男性で47.2%となっています。女性では年収400万円で結婚をしようと思える割合は若い年代ほど高く、20代女性で57.6%、30代女性で49.2%、40代女性で38.0%となりました。20代の男性は同年代の女性と比べて収入面のハードルを高く設定しがちな傾向にあるようです。
■年収400万円で出産・子育て(1人)をしようと思える割合
同様に、年収400万円で「出産・子育て(1人)」をしようと思える割合、「出産・子育て(2人)」をしようと思える割合を年代別に確認すると、いずれも若い年代の方が高く、「出産・子育て(1人)」では20代で37.8%、30代で37.2%、40代で33.0%となり、「出産・子育て(2人)」では20代で23.4%、30代で21.2%、40代で19.0%となりました。年代が上がるほど、出産・子育ての収入面のハードルを高く想定しがちな傾向にあるようです。
年収700万円以下の管理職にはなりたくない人が多数派
では、働くこと自体に対してはどのような意識が持たれているのでしょうか。
現在、正規雇用(正社員・正規職員)の方(409名)に、<管理職>で働こうと思える個人年収を聞いたところ、
年収700万円あれば=13.4%
年収800万円あれば=13.2%
年収1,000万円以上あれば=23.7%
といった回答が多くなりました。
もし、管理職として個人年収700万円が提示された場合、働こうと思える割合は累計で44.9%と半数に満たず、年収800万円でようやく半数を超え(58.1%)ました。
■男女別に見ると
男女別にみると、女性は「年収500万円あれば」が17.7%で、男性(10.3%)よりも高くなるなど、比較的低い個人年収でも働きたい方が多くみられた一方で、「年収がどんなに多くても、したいと思えない」は27.8%となり、男性(12.4%)より高くなりました。正規雇用で働く女性の中には出世してバリバリ働きたい方も少なくないようですが、4人に1人はどんなに高給であっても管理職として働きたくないと考えているようです。