整骨院を利用している人はどれくらい？ 利用料金はいくらぐらい支払ってる？

けがを負ったときなどに、整骨院に通う人もいるのではないでしょうか？
 
整骨院は「ほねつぎ」と呼ばれることもあり、柔道整復師が施術を行っています。ただ、整骨院に通っているといった声は頻繁に聞くものではなく、実際にどの程度の人が利用しているのか、1回あたりの治療費としてどの程度支払っているのか、イメージしにくいかもしれません。
 
そこで今回は、整骨院の年間利用者や治療費などについて解説します。

整骨院を利用したことがない人は多い

独立行政法人中小企業基盤整備機構が、2021年度に発表した整骨院に関するアンケート調査（調査対象：国内在住の2代～60代男女1000名）によると、2021年10月現在で、「よく利用している」という人は全体のわずか3％程度でした。
 

半数以上が「利用したことがない」と回答

よく利用している人が3％なのに対し、これまで「利用したことがない」人は55％と、全体の半数以上を占めています。
 
また、「利用経験はあるが現在利用していない」人が36％、「たまに利用している」人は7％となっており、利用率は10％であることが分かります。
 
男女別と年齢別でみると、男性は40代が13％、女性は40～60代までがそれぞれ11％で、最も多い利用率でした。
 

利用頻度は「年に1回以下」

次に利用頻度をみてみましょう。
 
「よく利用している」「たまに利用している」においても、利用するのは「年に1回以下」という人が最も多いです。整骨院の利用者は極めて少ないといえそうです。
 
ただ、年齢別にみてみると、20代の男女、40～60代の女性は、半年に1回以上利用している人が40％以上おり、月に1回以上利用している人も30％以上いるという結果となっています。
 

1回あたりの利用金額は約1000～3000円未満が多い

続いて、1回あたりの利用金額をみてみます。同調査によると、割合の多かった順に、以下のような結果となっています。

1000～3000円未満…31％
500～1000円未満…24％
3000～5000円未満…20％

1回あたりの料金は3000円未満というケースが半数以上を占めており、金額的に整骨院が比較的利用しやすいことが分かります。
 

柔道整復師の年収は約426万円

柔道整復師は国家資格で、骨折や脱臼、打撲、捻挫、挫傷といった、けがの整復・固定などを行うのが仕事です。あくまでも手術が不要な治療に関わり、人間本来の自然治癒力を生かして治療します。
 
このように、整骨院は、けがをした際に治癒するためのサポートをするのが役割です。そのため、マッサージのように気軽に、頻繁に通うことは多くありません。
 

柔道整復師は月給約30万円

厚生労働省が2021年に発表した「賃金構造基本統計調査」によると、柔道整復師の月給（10人以上の企業規模のケース）は約29万9800円です。さらに、年間の賞与やそのほかの特別給与が約63万6100円、年収は約423万3700円となります。
 
国税庁が発表した「民間給与実態統計調査」によると、2021年度の日本の平均年収が約443万円でした。柔道整復師の年収はそれより若干少なめではあるものの、平均的な年収であるといってもよいでしょう。
 

整骨院の平均利用頻度は多くても月1回程度

整骨院は、手術が不要のけがなどから回復するサポートをするのが役割です。治療を行う柔道整復師の年収は約423万円と、日本の平均年収に近い金額となっています。
 
整骨院には頻繁に通うというより、必要なときに通う人が大多数です。利用頻度も年1回以下が最多で、続いて半年あるいは月に1回程度という結果でした。
 
1回あたりの治療費も3000円未満であるケースがほとんどで、必要な際にも通いやすい金額といえるでしょう。
 

出典

独立行政法人中小企業基盤整備機構 J-Net21 整骨院（2021年版）
公益社団法人日本柔道整復師会 柔道整復師とは
厚生労働省 令和3年賃金構造基本統計調査 表1（e-Stat）
国税庁　令和3年分　民間給与実態統計調査
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部