更新日: 2019.01.10 その他暮らし
職業人としての生き方を探るヒント どうすればチャンスの波にうまく乗れるのか
インターネット動画配信サービス会社で、日本ではHuluなどのほうがおなじみかもしれませんが、同社のことを1997年創業時、あるいは2000年に知っていた日本人はどのくらいいたでしょうか?
起業の土壌がまったく違うアメリカと比較することはできませんが、同社の成長ぶりは、私たちの職業人としての生き方を探るヒントを与えてくれます。
Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com
今をときめく米国のネット系企業:20年前に注目した人はいたか?
日本での時価総額ランキング(2018年5月1日現在)1位がトヨタで23兆3793億円。2位のNTTが10兆8572億円、3位のドコモが10兆4750億円です。
これに対して、ネットフリックスの時価総額は12兆3808億円(1ドル=110円換算)です。参考までにフェイスブックは37兆9110億円、アマゾンは69兆7959億円です。
このランキングを見て感じることはいろいろあると思いますが、3社の設立はネットフリックスが1997年、アマゾンが1994年、フェイスブックは2004年です。まだ設立後20年数年ほどしか経っていないことに驚かされます。
今、30代後半~40代のビジネスマンが学生だった頃、このような会社に入社したいと考えた人はどれだけいたでしょうか。
出来上がったレールの上をうまく走るVSレールを作る
もちろん日米を単純に横比較することはできません。日本でも最近では、起業家精神旺盛な学生も見かけるようにはなりました。ですが、やはり既存のレールの上をつつがなく走っていけば、と考えている学生が多くいることも否定できない事実です。
これが投資の日米における、投資スタンスの違いにも表れているのでしょうか。「元本保証」にこだわる日本人と「お金をふやすことに熱心な」米国人(もちろん十把一絡げに論じることは適切ではないと思いますが)。
時代の流れにそって柔軟に動けるように、情報収集とスキル磨きを継続
どちらがいい、悪いという議論は無意味です。集団で1つの製品を作り上げる業界の代表として自動車産業がありますが、ここは日本の強み(協調性)が遺憾なく発揮され、今でも世界的に高い地位を維持しています。
一方で企業世界では、個から生み出される独創的なアイディアによって成長している企業が多くみられ、その流れはAIやIoT(インターネット・オブ・シングス)の普及とともに、加速こそすれ逆流することはないでしょう。
将来はこんな仕事をやりたいと思っていても、その仕事は10年後にはなくなっているかもしれません。
固定的に将来像を捉えるのではなく、時代の流れやニーズを取り込んで、自分らしさが最大限に発揮できるように、情報収集とスキル磨きを続けながら柔軟に世の中の動きを捉えていれば、チャンスの波にうまく乗れるのではないでしょうか。
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者
日本証券アナリスト協会検定会員、MBA(ファイナンス)、
キャリアコンサルタント、キャリプリ&マネー代表