更新日: 2022.12.15 その他暮らし

お墓が遠くてお参りが面倒に。「お墓のお引っ越し」にはいくらかかりそう?

執筆者 : 柘植輝

お墓が遠くてお参りが面倒に。「お墓のお引っ越し」にはいくらかかりそう?
実家から遠く離れた場所で暮らしているため、お墓参りが大変だという方もいるでしょう。
 
こうした理由から「お墓のお引っ越し」を行うケースがありますが、お墓の引っ越しとはどういったものなのか、どれくらいの費用がかかるのか説明していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

お墓の引っ越しの件数は増加傾向にある


 
お墓に埋葬されている遺骨を別の場所に移し替えることを、改葬といいます。お墓の引っ越しとは改葬に当たりますが、その件数は年々増加の傾向にあります。
 
厚生労働省の衛生行政報告例によると、改葬の件数は平成14年度で7万2040件でしたが、令和2年度では11万7772件となっており、18年の間で約1.6倍にまで増加しています。
 
改葬を行う理由はさまざまだと思いますが、その1つに墓参りの負担が挙げられます。
 
株式会社メモリアルアートの大野屋が、同社で改葬を行った方を対象に実施した『お墓の引っ越し「改葬」アンケート調査』(令和2年)によれば、お墓の引っ越しを考えた理由で最も多かったのは「墓参りの身体的負担」でした。
 

 
出典:PRTIMES <お墓の引っ越し「改葬」アンケート調査>件数は10年間で1.6倍増加・年間約11万件に移転理由は「身体的負担」「将来、子や孫に負担をかけたくない」が上位~「次世代への継承」がキーワードに~
 
「家族や親戚からの意見」などの回答もありますが、こういったリアルな声や改葬の件数が増加している状況を踏まえると、「お墓が遠方にあるのでお墓参りが面倒」「お墓参りの負担が大きい」といった理由でお墓の引っ越しを行うのも、さほど珍しいことではなくなっているのかもしれません。
 

お墓の引っ越しにかかる費用は平均275.2万円

同じく株式会社メモリアルアートの大野屋のアンケート調査の結果では、お墓の引っ越し(改葬)にかかる平均的な費用は275万2000円でした。
 
埋葬形態別の平均費用を見ていくと、一般墓地で281万7000円、納骨堂で169万8000円、永代供養墓で145万2000円、樹木葬で138万9000円となっています。
 


 
出典:PRTIMES <お墓の引っ越し「改葬」アンケート調査>件数は10年間で1.6倍増加・年間約11万件に移転理由は「身体的負担」「将来、子や孫に負担をかけたくない」が上位~「次世代への継承」がキーワードに~
 
一般墓地とは、墓石を設置して代々受け継いでいくタイプのお墓で、納骨堂とは寺院などの納骨スペースに遺骨を保管する形式のお墓です。また、永代供養墓は墓地や霊園などが遺骨の供養・管理まで代理で行ってくれるもの、樹木葬は樹木を墓石代わりにして供養するお墓のことです。
 
埋葬形態別では、どの方法でも移転元での費用には大きな差は見られませんが、移転先で必要な費用には差があります。
 
移転先でかかる費用としては、例えば新しいお墓の取得代金や永代使用料(墓地を使用する権利の取得費用)、埋葬費用、事務手数料などが主なものですが、一般墓地では墓石を購入して設置することもある分、トータルでは費用がかかるケースがあります。一方で納骨堂や永代供養墓、樹木葬では高額な墓石を購入する必要がありません。
 
そのため、お墓の引っ越し先が一般墓地の場合は、他と比べて平均的な費用が高額となっています。
 

お墓の引っ越しは費用も含めて検討を

お墓のお引っ越し(改葬)にかかる費用は、アンケート調査の平均では275万2000円となっています。ただし、実際の費用は移転先での埋葬形態などによって大きく異なるケースもあります。
 
改葬の件数は年々増加しており、決して珍しいことではありません。お墓参りや管理が負担になっている場合、移転先のお墓の種類や必要な費用を考慮して、改葬によるお墓の引っ越しを検討してみてください。
 

出典

e-Stat 衛生行政報告例
PRTIMES <お墓の引っ越し「改葬」アンケート調査>件数は10年間で1.6倍増加・年間約11万件に移転理由は「身体的負担」「将来、子や孫に負担をかけたくない」が上位~「次世代への継承」がキーワードに~
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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