更新日: 2022.12.17 その他暮らし
豊かに暖まりたい!「薪ストーブ」コスパや設置費用、薪の調達費用は?
輻射熱と空気の対流で部屋と身体を暖めてくれるだけでなく、カレーやシチューのような煮込み料理にも利用できるとあって、戸建て住宅を新築・リフォームする人を中心に静かなブームを呼んでいます。しかし、薪ストーブのあるスローライフに憧れてみても、コストが気になることでしょう。
そこで今回は、薪ストーブのコスパや設置費用を解説します。また、薪の調達費用も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
薪ストーブの設置費用(イニシャルコスト)って? 自治体による助成金も解説!
薪ストーブの設置を業者に依頼した場合、総額95~170万円ほどかかるのが相場です。価格の差は、薪ストーブ本体や煙突に使う部材の価格、または設置工事費の差から生じます。以下が内訳の参考です。
●薪ストーブ本体:ホームセンターで扱われているような製品は5~15万円、欧米メーカーの製品は80~120万円が相場です。暖房方式によって「輻射式」「対流式」「暖炉式」の3タイプに分類されます。
●煙突部材:40~75万円で、業者による設置工事は20~40万円が相場です。
設置費用が思っていたよりも高いと感じる方も多いでしょう。ただし、環境にやさしい薪ストーブは、多くの自治体が助成金制度を設けて普及を推進しています。例えば京都府では上限10万円、栃木県の益子町では上限5万円の利用が可能です。北海道では旭川市が上限20万円、知内町は上限30万円など、寒い地域ほど上限が高い傾向があります。
薪ストーブの導入にあたっては、住んでいる自治体の助成金を調べてみることをおすすめします。また、DIY(日曜大工)の心得がある人の中には自ら設置してイニシャルコストを抑える人もいます。
燃料代(ランニングコスト)っていくらかかるの? 薪の調達費用を紹介!
薪ストーブを利用するときに頭を悩ませるのが、燃料にする薪の調達方法でしょう。例えば、11月から3月までの間に、1日12時間使用する場合を考えると、約400束の薪が必要です。
ホームセンターなどの価格は1束400円前後ですので、4ヶ月の薪代が16万円ほどかかることになります。光熱費の節約を目的に薪ストーブを導入した人にとって全て市販の薪で賄うことは得策ではありません。薪を安く調達するには、以下の2つの方法が有効です。
1.製材店など、材木を扱っている店舗から端材を分けてもらう
2.「伐採ボランティア組合」に加入して、年間数千円の会費を払って原木を分けてもらう
薪ストーブを使いたい! コスパのよい点・悪い点を解説!
ほかの暖房器具と同じように、薪ストーブにもコスパの良い点と悪い点があります。ここでは薪ストーブのコスパについて解説するとともに、コスパを高めるための工夫を紹介していきます。
・薪ストーブのコスパの良い点
薪ストーブはとても暖房効率がよく、輻射熱と対流熱を利用して部屋全体を暖めてくれます。輻射式の場合、ストーブの天板に鍋などを載せられる機種が多く、煮込み料理に適しています。対流式はガラス面から揺らめく炎を見たい人に向いています。
暖炉式は薪のはぜる音や香りを楽しみたい人に向いています。また、薪ストーブは電気を使いません。輻射式であればコンロ代わりに利用でき、電気・ガス代の節約にもなるのです。
・薪ストーブのコスパの悪い点
薪ストーブの最もコスパの悪い点は、「対流式」の場合、部屋が暖まるまでに時間がかかることです。部屋全体が暖まるには約2~3時間必要なため、状況によっては補助の暖房器具が必要な場合もあります。
・コスパを高めるための工夫とは?
コスパを高めるには、薪ストーブの性能を十分に発揮させる必要があります。そのためには、以下のような5つの工夫が有効です。
1.設置場所を工夫する
薪ストーブは煙突を外に出す構造のため、壁際に設置することが多くなります。その際、壁の端ではなく中央付近に設置しましょう。そうすることで輻射熱が広がりやすくなります。
2.部屋をしっかりと断熱する
窓の隙間などを断熱することにより、暖まった空気を逃さずに済みます。気密性の低い住宅はエアコンなどほかの暖房器具でも暖まりにくく、電力を浪費してしまいます。
3.煙突を定期的に掃除する
煙突には、薪の燃焼による煤(すす)が溜まってきます。シーズン終了後には必ず掃除をして煤を取り除きましょう。燃焼効率が上がるとともに、安全性も確保できます。
4.水分を除去した薪を使用する
薪が水分を含んでいると、燃えにくいために余計に熱量を消費したり、煤が出やすくなったりします。含水量20%以下まで乾燥させた薪を使うことが推奨されています。
5.部屋の空気を循環させる
小型ファンなどを使って空気を循環させることで、部屋を効率よく暖めることが可能です。
コスパを高めて快適な薪ストーブライフを送ろう!
環境にやさしい薪ストーブを使おうとしても、設置費用や薪の購入代などを考えて、ためらう方もいるでしょう。しかし、薪ストーブの設置には、自治体の助成金も利用可能です。この記事では、薪ストーブのコスパや設置費用、そして助成金についての情報や薪を安く手に入れるための方法を紹介しました。コスパを高めて、快適な薪ストーブライフを送りましょう。
出典
北海道旭川市 令和4年度旭川市薪ストーブ導入促進事業補助金(追加募集)
栃木県益子町 益子町住宅用木質バイオマスストーブ設置費補助金制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部