【値上げの動きは、ここでも!】レンタカー費用節約のヒント2つ
配信日: 2023.01.06
また一方で、さまざまなモノやサービスで値上げの動きが止まりません。旅先で利用するレンタカーでも同様のようです。料金自体もさることながら、付帯費用やそもそもの使い方に注目して、費用節約につながるかもしれないヒントを2つご紹介します。
執筆者:上野慎一(うえのしんいち)
AFP認定者,宅地建物取引士
不動産コンサルティングマスター,再開発プランナー
横浜市出身。1981年早稲田大学政治経済学部卒業後、大手不動産会社に勤務。2015年早期退職。自身の経験をベースにしながら、資産運用・リタイアメント・セカンドライフなどのテーマに取り組んでいます。「人生は片道きっぷの旅のようなもの」をモットーに、折々に出掛けるお城巡りや居酒屋巡りの旅が楽しみです。
(1)乗り捨て料を節約
レンタカーは、借り受けた営業所にそのまま返車する場合もあれば、違う営業所まで移動してそこで返すような「乗り捨て」も珍しくありません。
乗り捨てする場合、本拠地にクルマを回送する手間や燃料がかかる理由から、「乗り捨て料」が加算されるケースが大半でしょう。
この乗り捨て料、料金設定はレンタカー会社ごとに独自のルールで結構バラバラ。代表例は、次のような感じです。
(1)出発地と返却地の距離に応じて設定
(2)同じ都道府県内の指定エリア内のみかからない
(3)同じ都道府県内ではかからない(エリアなどによって例外あり)
旅行予約サイトなどを利用すれば、乗り捨て料など付帯費用も含めたトータル金額をレンタカー会社ごとに簡単に比較できます。注目したいのは、(2)や(3)をうまく活用できる場合があることです。
一例として、[足利市駅周辺で10時にレンタカーを借り、観光をして足利周辺に1泊。翌日は群馬県方面に移動して高崎駅近くで17時に返車]というケースを想定してみます。
2023年2月上旬出発[コンパクトカークラス、免責補償料込み]で検索してみると3社のヒットがあり、最安値プラン例は次のとおりです。(各料金事例は、2022年12月18日時点の検索結果に基づく。以下すべて同じ)
●A社1万8919円(うち乗り捨て料5500円)
●B社1万8700円(同4400円)
●C社2万2530円(同8800円)
ここで、足利市駅は栃木県内ですが、近傍の東武線沿線で例えば太田駅や館林駅は群馬県内になります。もしも出発地を群馬県内の駅周辺に変更してみると、検索結果は次のとおりでした。
●A社1万3419円(うち乗り捨て料0円)
●B社1万8700円(同4400円)
●C社1万8970円(同4400円) (注)足利市駅のものよりも基本料金が840円高い
●A社1万3419円(うち乗り捨て料0円)
●C社1万8970円(同4400円) (注)同上
A社では、乗り捨て料分の5500円も安くなりました。C社でも乗り捨て料自体は半額の4400円です。太田や館林から足利へは、直線距離で8~12キロメートル程度の近さです。クルマに乗ってからの移動時間で考えると、その日の観光予定にも影響はほとんどないでしょう。
いつでも使えるワザではありませんが、出発地や返車地が県境に近い場合にはチェックしてみる価値は十分あると思います。
(2)最終日まで借りない
レンタカーを空港で借りて、観光と宿泊をしてまた同じ空港に戻ってくる場合、全行程で借りっ放しにするケースが多いでしょう。
しかし、最終日は帰りのフライトが午後の早めの時間。ホテルをチェックアウトした後、ちょっとした市内観光をするかしないかのうちに空港に向かうことになる。こんなケースだって少なくないと思います。
こちらも、具体的な事例で見てみましょう。[松山空港で10時にレンタカーを借り、観光をして松山周辺で2泊。最終日は松山市内から松山空港に戻り13時に返車]というケースを想定してみます。
2023年2月上旬出発[コンパクトカークラス、免責補償料込み]で検索してみると、最安値プラン例は、次のとおりです。
●A社1万7324円
●B社1万9140円
●C社1万7680円
もしも、最終日の前日17時に松山市内で乗り捨て返車した場合、料金は次のように変わります。
●A社1万3419円(うち乗り捨て料0円)
●B社1万5070円(同)
●C社1万3730円(同)
1日(20時間)早く返車することで、いずれも4000円くらい安くなります。もしもホテルの駐車料金が1泊1000円だとすると、合計約5000円。最終日に松山空港まで、松山市駅からリムジンバス利用で1人790円(路線バスなら同450円)が必要ですが、トータルで節約になる場合もあるでしょう。
乗り捨て料、ホテルの駐車料金、最終宿泊地市内から空港までのバスなどの料金、帰りのフライト時間等々の変数が絡みます。いつでもおトクになるとは限りませんが、空港で借りたら帰りも空港で返車しなければならない。そんな思い込みに、必ずしも捉われる必要はないのです。
まとめ
クルマは「保有する」時代から「シェアして利用する」時代へと変化しつつあるようです。レンタカーやカーシェアリングを必要なときにだけ使う動きも、今後さらに加速していくかもしれません。
ガソリン価格は、(政府の補助金が投じられているとはいえ)まだまだ高止まりしている状況です。レンタカー利用のシーンでも、トータルの費用を節約して“生活防衛”する工夫は、考えていきたいものです。
執筆者:上野慎一
AFP認定者,宅地建物取引士