更新日: 2023.01.27 その他暮らし

株式会社の設立時にかかる手続き費用はいくらくらい?

株式会社の設立時にかかる手続き費用はいくらくらい?
株式会社の設立を考えている人は、設立費用がいくらかかるのかが気にかかるのことが多いのではないでしょうか。株式会社は資本金1円、発起人1名から誰でも設立できますが、設立時の費用にはやはり、まとまった金額が必要です。
 
本記事では、株式会社設立の流れと各手続きでかかるおおよそ費用、専門家に手続きを依頼した場合の費用相場を分かりやすくまとめました。ぜひ、株式会社の設立資金を準備するときの参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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株式会社設立の一般的な流れ

株式会社を設立する際の一般的な流れは次のとおりです。

1. 会社の概要を決定する
2. 法人の実印を作成し印鑑届書を提出する
3. 定款を作成して認証を受ける
4. 資本金を払い込む
5. 登記申請書を作成し会社設立登記をする

最初にやることは、どのような会社を設立するのかを決めることです。社名(商号)や事業目的、所在地、資本金の金額、発起人、株主構成、役員構成などの基本的な事項を決める必要があります。社名が決まったら法人の実印を作成し、法務局に印鑑届書を提出しましょう。なお、設立登記をオンラインで行う場合は、印鑑は任意となっています。
 
次に会社運営の基本ルールである定款を作成します。定款を作成したあとは、公証役場で法令にもとづいて作成された定款であることの認証を受けなければなりません。
 
続いて、出資者全員が発起人または設立時取締役のうち1人の個人口座に出資金を払い込みます。約款の認証と出資金の払い込みは前後してもかまいません。
 
最後に、登記申請書を作成し、必要書類とともに法務局に提出します。登記が完了し登記完了証が交付されれば、株式会社の設立完了です。
 

株式会社設立時の資本金は1円から

株式会社設立時には、事業立ち上げの元手となる「資本金」が必要です。資本金の額に制限はなく、法制度上は1円でも問題ありません。
 
ただし、資本金額が低すぎる会社は取引上の信用を得にくい傾向にあります。また、事業が軌道に乗るまでの運転資金が必要なことも考えると、開業後3ヶ月~半年程度の運転資金を見込んで金額を決めるとよいとされています。
 

株式会社設立に必要な費用は最低20万円前後

株式会社設立の手続きを士業などの手を借りずに行う場合、主に費用がかかるのは主に定款の認証時、会社設立登記申請時、会社の実印作成時です。それぞれ、図表1のような費用が必要となります。
 
【図表1】

定款の認証時 定款の認証手数料 資本金100万円未満:3万円
資本金100万円以上300万円未満:4万円
その他:5万円
登記申請用の謄本請求費用 1枚250円×8枚程度
公証人保存原本に貼付する収入印紙代 4万円(電子定款の場合は不要)
会社設立登記申請時 登録免許税 15万円または出資額の1000分の7のいずれか高い額
会社の実印作成時 印鑑代 1万円弱~

日本公証人連合会「公証事務 Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。」より筆者作成
 
全ての金額を合わせると、最低でも20万円前後の費用がかかる計算です。
 

株式会社の設立手続きを業者に依頼する場合の報酬相場

株式会社の設立手続きを専門家に依頼する方法もあります。事務作業の正確性が担保されること、電子的な手続きを活用して迅速に手続きがスムーズに進むことが、専門家に依頼するメリットです。しかし、費用面では自分で手続きするのと比べて負担が大きくなります。
 
株式会社の設立手続きを請け負っている代表的な専門家は、司法書士と税理士です。それぞれの報酬の相場(実費を除く)は、おおよそ次のとおりです。

・司法書士の報酬相場:7~10万円程度
・税理士の報酬相場:2~5万円程度

ただし、依頼する手続きの内容や難易度によって依頼費用は増減するのが一般的のため、依頼する前に複数の事務所で見積もりを取るとよいでしょう。
 
また、税理士事務所などのなかには、株式会社設立後に顧問契約を結ぶことを条件に、設立手続きの代行費用を割り引いてくれるところもあります。会社設立後も付き合える税理士を探している場合は、このようなサービスを利用すると費用を抑えられるでしょう。
 

株式会社設立の費用は自分でやるか専門家に依頼するのかで異なる

株式会社を設立するときは、各手続きの手数料や税金などの費用負担が発生します。自分で手続きをする場合、資本金の額などによって最低20万円前後の費用が必要です。また、司法書士や税理士などの専門家に手続きを依頼する場合は、専門家に支払う報酬として、さらに2~10万円ほどの費用が発生します。
 
手続きの手間ひまを省きたいのか、費用をできるだけ抑えたいのかをよく検討し、業者に見積もりを取るなどして、株式会社設立に必要な費用を試算してみましょう。
 

出典

国税庁 No.7191 登録免許税の税額表
日本公証人連合会 公証事務 Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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