更新日: 2023.01.27 その他暮らし
2023年4月から「デジタル給与」が開始! メリットや注意点を解説
デジタル給与になることでどのようなメリットと注意点があるのでしょうか? また、デジタル給与が始まる背景には何があるのでしょうか?
そこで本記事では、デジタル給与の概要や背景について解説すると共に、デジタル給与のメリットや注意点について紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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デジタル給与の概要
デジタル給与は一定の要件を満たした場合に、「賃金のデジタル払い」を認めたものです。企業側が独断で決めるものではなく、労働者側に同意を得ることでスマートフォン決済アプリ口座等に給与の受け取りを変更することができます。
デジタル給与が始まる背景
デジタル給与が始まる背景としては、キャッシュレス決済の普及促進があります。経済産業省はキャッシュレス決済比率を世界水準の80%まで上昇させたいと考えています。
2025年までは4割程度を目標としている中で、2021年のキャッシュレス決済比率は32.5%でした。デジタル給与を始めることでキャッシュレス決済比率を4割に近づけたいという狙いがあると考えられます。
デジタル給与をするための要件
デジタル給与を導入するためには、以下の7つの要件があります。
・資金移動業者が破綻した場合でも労働者の残高を保障する
・口座残高の上限を100万円以下に設定もしくは100万円を超えた場合は100万円以下にする設定ができる
・不正な為替取引等で労働者に損失が出た場合は補償できる
・最後に口座残高に変更があった日から10年間は有効に利用できる
・ATMを利用した際に少なくとも毎月1回は手数料の負担がない
・業務や財務状況を適宜厚生労働大臣に報告できる
・賃金支払いの業務を適正に行うことができる技術と社会的な信用がある
これらの要件を満たした上で、労働者側と賃金のデジタル払いについて同意しなければいけません。
デジタル給与のメリット
賃金のデジタル払いのメリットとしては、キャッシュレス決済が利用しやすくなることが挙げられます。キャッシュレス決済を利用する際は振り込まれた給与をチャージする必要がありましたが、賃金のデジタル払いが導入されるとそのままキャッシュレス決済を利用することが可能です。
また、外国人労働者などの預金口座を持っていない人にも給与を支払いやすくなります。外国人労働者の受け入れも進んでいるので、企業側も外国人労働者を雇いやすくなると考えられます。
デジタル給与の注意点
賃金のデジタル払いの注意点としては、法整備が進んでいないことが挙げられます。キャッシュレス決済比率は2021年時点で32.5%だったため、キャッシュレス決済自体がまだまだ普及していないのが現状です。
詐欺や不正利用のリスクもあり、これらに対する法整備もこれから期待されます。新しい試みなので、不都合があるたびに法律やシステムを改善していくことが必要です。
今後普及していく可能性もあり、慣れていくことが大切
本記事では、デジタル給与の概要や背景について解説すると共に、デジタル給与のメリットや注意点について紹介してきました。
賃金のデジタル払いについて、不安と期待が入り交じっていることでしょう。今後普及していく可能性もあるので、まずは慣れていくことが大切です。メリットもありますが注意点もあるので、今後もどのような企業が導入していくか注視していきましょう。
出典
厚生労働省 資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について
経済産業省 2021年のキャッシュレス決済比率を算出しました
厚生労働省 資金移動業者の口座への賃金支払の概要とこれまでの経緯
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部