更新日: 2023.02.07 その他暮らし

「コロナ失業」でネットカフェを転々としています…「生活保護」以外で使える制度はありますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「コロナ失業」でネットカフェを転々としています…「生活保護」以外で使える制度はありますか?
コロナ禍による失業でネットカフェを転々としながら生活している人を、国は「住居喪失不安定就労者」と呼んでいます。このような就労者が使える生活保護以外の主な制度が、「生活困窮者自立支援制度」です。
 
本記事では当支援制度とともに、東京都による支援制度や生活保護の概要についても紹介しているので、自分に適した制度を選んで問い合わせてみてください。
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生活困窮者自立支援制度とは

生活困窮者自立支援制度は、ネットカフェを転々としながら生活している「住居喪失不安定就労者」などに対する国の支援制度です。2015年に始まったこの制度では、働きたいのに働けない人や住む家がないといった人に対して、次のような支援を行っています。
 

・自立相談支援事業

自立相談支援事業は、各生活困窮者に合わせた支援プランの作成が柱です。当事業を受けたい人は、まず各地域に設けられている相談窓口(厚生労働省のHPで確認可能)にアクセスします。その上で専門の支援員に困りごとを相談すれば、支援員は相談者の意見を取り入れながら具体的な支援プランを作成してくれます。
 

・就労準備支援事業

就労準備支援事業は、社会との関わり方や他者とのコミュニケーションに不安がある人向けの支援事業です。半年~1年程度の間、専門のプログラムに沿った就労支援が受けられます。
 

・就労訓練事業

就労訓練事業は、いますぐに就労することができない人向けの支援事業です。対象者は自分に適した就労機会を得ながら、個別のプログラムによる一般就労に向けた中・長期的な支援(就労訓練)が受けられます。
 

・一時生活支援事業

一時生活支援事業で受けられるのは衣食住全般の支援です。生活困窮者は原則3ヶ月(最大6ヶ月)の間、行政が用意した「自立支援センター」に宿泊しながら、退所後の自立に向けた就労支援が受けられます。「自立支援センター」から仕事に通うことも可能です。
 

・住居確保給付金の支給

住居確保給付金の支給では失業などで住居を失った人や、その可能性のある人に対して原則3ヶ月(延長2回まで最大9ヶ月)の間、家賃相当額が支給されます。当給付金を受給するためには、就職活動の励行が絶対条件です。
 

・家計改善支援事業

家計改善支援事業では、専門の支援員による「家計を立て直す」ための相談などが受けられます。借金や延滞金などを抱えている人に対しては、その状況に応じた支援プラン(当該機関へのつなぎや貸付のあっせんなど)が作成されるため、リスクを抑えた上での早期の生活再生も可能です。
 

東京都による支援制度と生活保護の概要

「住居喪失不安定就労者」に対しては、東京都も支援制度を設けています。また、自分のペースで自立を目指したい人は生活保護という選択も可能です。
 

・東京都による支援制度

東京都では「住居喪失不安定就労者」を対象に、TOKYOチャレンジネットという制度を設けています。当制度の支援には、生活支援、居住支援、厚生労働省との連携による就労支援、介護職への就職を目指す人向けの「介護職支援コース」などがあります。
 

・生活保護

生活保護は、生活困窮者の困窮度に応じた支援を行い「健康で文化的な最低限度の生活」を保障した上で、自立を助長するための制度です。生活保護は、原則として世帯員全員が資産、能力、その他の制度を最大限活用しても経済的に困窮している状態で、扶養義務者(直系血族と兄弟姉妹)の扶養も受けられない場合に受給できます。
 
なお、「扶養義務の履行が期待できない」と判断される場合は、基本的に扶養義務者への照会は行われません(「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」の一部改正)。
 

どの制度を利用するか検討した上で当該機関に問い合わせよう

コロナ禍での失業が原因でネットカフェを転々としながら生活している「住居喪失不安定就労者」は、国や東京都が設けている支援制度の利用が可能です。
 
主な制度には、「生活困窮者自立支援制度」、「TOKYOチャレンジネット」、「生活保護」があります。各制度の対象になる人は、どの制度を利用できるのか、自分がどの制度を利用したいのかを検討した上で、各地域の自立相談支援機関、生活困窮者を支援している民間団体、福祉事務所などに問い合わせましょう。
 

出典

厚生労働省 制度の紹介

東京都 TOKYOチャレンジネット

厚生労働省 生活保護制度

厚生労働省 一時生活支援事業の手引き

厚生労働省 住居確保給付金

生活困窮者自立支援情報共有サイト

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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