「こどもみらい住宅支援事業」が終了! 新しく始まった「こどもエコすまい支援事業」とは?
配信日: 2023.02.07
その後、新たに登場したのが「こどもエコすまい支援事業」です。似たような名前でスタートした後継制度ですが、何が違うのでしょうか。「こどもエコすまい支援事業」とはどんな制度なのかかんたんに解説します。
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
「こどもみらい住宅支援事業」はすでに受付終了
「こどもみらい住宅支援事業」は、若い世代の住宅購入を支援する制度として導入されました。
●誰が……………国(国土交通省)が
●何のために……子育て支援と2050年カーボンニュートラルの実現のために
●何を……………最大100万円を
●誰に……………子育て世帯や若者夫婦世帯に
●どうする………高性能住宅を購入したりリフォームしたりするときの補助金として支給する
2022年3月28日から申請受付が始まった制度です。
もともと「申請された補助金額」が「確保された予算額」を上回った時点で終了することになっていました。しかし国が想定していた以上に申請が多く、当初に予測されていたよりずいぶん早く終了することに。
2022年11月28日には申請受付終了となりました。
新しく創設された「こどもエコすまい支援事業」とは
「こどもみらい住宅支援事業」の後継事業として登場したのが、「こどもエコすまい支援事業」です。
●誰が……………国(国土交通省)が
●何のために……子育て世帯の省エネ住宅購入を支援するために
●何を……………最大100万円を
●誰に……………エネルギー価格高騰の影響を受けやすい子育て世帯や若者夫婦世帯などに
●どうする………ZEH住宅を購入したり省エネリフォームしたりするときの補助金として支給する
両者はよく似ていますが、国は「こどもエコすまい支援事業」には「エネルギー価格高騰」など昨今の物価上昇を踏まえた経済対策的な側面があるとしています。
さらによく見ると、新しい「こどもエコすまい支援事業」で新築時の支援対象となるのは、省エネ性能の高い家の中でも「ZEH住宅」と呼ばれる一定のものだけに限定されていることがわかります。以前の制度よりも対象の幅が狭くなりました。
また、リフォームに対する補助では、国土交通省の「こどもエコすまい支援事業」だけでなく、経済産業省や環境省がそれぞれ行っている省エネ推進のための補助金も、ワンストップで利用できるようになる予定です。こちらは「18歳未満の子がいる子育て世帯」や「夫婦どちらかが39歳以下の若者夫婦世帯」に該当しない世帯でも利用できます。
2022年11月8日以降に対象となる工事に着手し、申請した人が対象になります。受付期間は2023年3月下旬ごろからで、前回の「こどもみらい住宅支援事業」同様、予算の上限に達した時点(遅くとも2023年12月31日まで)で終了します。
今回の「こどもエコすまい支援事業」では、前回の2倍以上の申請受付が想定されています。前回ほど早く終了してしまう可能性は低いと思われますが、2023年の終わりごろに住宅購入やリフォームを予定している人は、動向を注視しておきたいところです。
おわりに
新しく始まった「こどもエコすまい支援事業」は、省エネ化、子育て支援、物価高騰対策、住宅購入による経済活性化などいくつもの目的を兼ねています。近年は住宅に関するさまざまな制度が変わり、今後、家を購入するなら省エネ性能の高い家でないと支援を受けられない状況が形成されつつあります。
100万円の補助金があるかないかは、大きな差です。対象になる条件がかなり細かく決められていて、契約日や着工日が数日ずれただけで対象から外れてしまうこともあります。工事を行う会社から説明を受けて、補助金をもらえるチャンスを逃さないように進めていきましょう。
出典
国土交通省 こどもみらい住宅支援事業
国土交通省 こどもみらい住宅支援事業の実施状況についてお知らせします(令和4年11月末時点)(令和4年12月23日)
自民党 こどもエコすまい支援事業 省エネ住宅取得で100万円補助(2022年11月15日)
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表