更新日: 2023.02.21 家具・片付け

家賃2万~20万円のさまざまな物件に入居した経験者が断言する、QOLが圧倒的に上がる設備とは?

家賃2万~20万円のさまざまな物件に入居した経験者が断言する、QOLが圧倒的に上がる設備とは?
多くの企業で新年度を迎える4月が近づき、住環境を見直す社会人や新社会人も多いだろう。家賃、駅までの距離、日当たり、間取り……。賃貸物件を決める条件は人によってさまざまだが、特に部屋の設備について意見が分かれやすいのではないだろうか。
 
現在32歳で都心に住んでいる男性のAさんは、これまで経験した8回の引っ越しを振り返り、独身であれば「たった1つの設備さえあればなんとかなる」と断言する。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

「温水洗浄便座」は生活必需品レベル

Aさんは社会人になってからおよそ10年間で、京都、広島、鹿児島、大阪、神戸、東京の都市部を中心に、異動や転職で計8回引っ越しているという。
 
賃貸物件はいずれも独身者向けの1R~1LDK。家賃は訳アリ物件の2万円台から、現在居住しているマンションのおよそ20万円まで、さまざまだ。
 
「いろいろ引っ越して気付いたのは、『周辺環境』さえ考慮しなければ、正直言って、多少設備がなくてもQOL(クオリティーオブライフ)は全然変わらないということです。住めば都というか、私にとってはあくまで『生活必需品』ではないものが大多数でしたね。ただ、その中でも1つだけ、なくてめちゃくちゃ後悔した設備がありました。それが『温水洗浄便座』です」
 
Aさんによると、広島市の訳アリ物件の1R(家賃約2万円)と東京都文京区の1LDKの物件(家賃約13万円)を比較した際、圧倒的に温水洗浄便座の有無で、前者の方が良かったという。
 
ちなみに株式会社リクルートが調査した「2021年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)」の「次に引っ越す際に絶対に欲しい設備」のランキングによると、温水洗浄便座は23位中9位で中〜上位程度の人気となっている。
 

■次引っ越す際に絶対に欲しい設備 (複数回答)

1位:エアコン付き(58.8%)
2位:独立洗面台(57.2%)
3位:TVモニター付 インターホン(52.7%)
4位:2口コンロ以上(49.2%)
5位:24時間出せるゴミ置き場(47.9%)
6位:追いだき機能付きの風呂(46.4%)
7位:宅配ボックス(46.0%)
8位:フローリング(45.5%)
9位:温水洗浄便座(44.5%)
10位:オートロック(40.4%)

 
Aさんによると、家賃2万円の1Rの物件で上記の条件を満たしているのは、「エアコン付き」、「フローリング」、「温水洗浄便座」のみ。対して13万円の物件は1~8位のすべてを満たしていたという。それでもAさんにとってQOLが高かったのは、前者の物件だと語る。
 
「部屋の数も広さも文京区の物件が圧倒的でした。リノベーションしたばかりでキッチンもL字でクーラーも2機ありましたし、当然、独立洗面台。ただ、トイレだけはリノベーションされていなかったんです。当時は温水洗浄便座のことを甘くみていたので、その物件を選んでしまったのですが……。正直、家賃に11万円の差があってもマイナスレベルですよ」
 

温水洗浄便座の後付けはいろいろとハードルが高い

Aさんいわく、温水洗浄便座がない生活を約1年続けることで、自身の「臀部の環境」はもちろん、いろいろな意味で機会損失をしたという。
 
「まずは軽度の痔を発症しました。実家の頃から温水洗浄便座があって当たり前の生活だったので、つい拭きすぎてしまったんです。あとはトイレットペーパーも今までの3倍のペースで消費していたので、エコではないですよね。また、これは私だけかもしれませんが、当時付き合っていた女性を自宅に招きにくいのもデメリットだと感じていました。」
 
Aさんはフリーランスのため、自宅で作業することが多い。トイレの回数も必然的に多くなるため、温水洗浄便座がないことに不満を覚えて初めて、洗面台やバルコニー、浴室と比べてもトイレはかなり使用頻度の多い場所であり、総合的な快適度に大きな影響を与える可能性が高いことに気付いたという。
 
「後付けも本気で考えたのですが、管理会社が良い顔をしてくれなかったんです。取り付けたとしても『原状回復』をしなくてはならないですし、もし工事で床などが傷ついた場合は、敷金から差し引かれる可能性もあります。ただでさえ、設置工事も含めたら数万円かかるうえ、『今度は絶対に温水洗浄便座のある物件に住む』と決めていたので、購入した温水洗浄便座を抱えて引っ越すのも正直、邪魔でしかありません」
 
結局、Aさんは更新月までかなりの月数を残して、現在の住居に引っ越しを決めた。その大きな理由の1つが「温水洗浄便座」だった。
 

まとめ

「私が住んでいる渋谷区であっても、家賃が約5万円ぐらいからの1Rや1Kで温水洗浄便座が備えられている物件はあります。特に初めての1人暮らしの男性の場合、家賃を削るためにトイレを妥協してしまう人は多いと思いますが、エアコンの次にマストな設備だということをぜひ頭に入れておいてほしいですね」
 
4月からは新生活を始める人が多い。現在の30代前半と比べて20代は、実家でも温水洗浄便座の普及が広がっているだろう。そのため、もしも安易に温水洗浄便座を選択肢から外してしまうと、Aさんのように思わぬ不満を抱いてしまうかもしれない。
 
Aさんの経験を踏まえ、自身の生活スタイルを見直すとともに、設備の優先順位を決めて部屋探しをすることも大切かもしれない。
 

出典

株式会社リクルート 2021年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集