更新日: 2023.03.23 その他暮らし

社会問題になっている特殊詐欺。代表的な手口を解説

社会問題になっている特殊詐欺。代表的な手口を解説
近年、特殊詐欺が社会問題になっています。「自分だけは大丈夫」と思っていても、うっかりだまされてしまう可能性もあります。特殊詐欺の被害者にならないためには、よくある手口と対策を知っておくことが重要です。
 
本記事では特殊詐欺の概要と代表的な手口、近年再び増加している劇場型勧誘について解説します。自身だけでなく、大切な家族が巻き込まれないためにも、ぜひご参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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特殊詐欺とは

特殊詐欺は、電話やメールなどを利用して家族や公共機関のふりをして、被害者と対面することなく現金などをだまし取る犯罪行為です。
 
警視庁では「特殊詐欺」という名前を使っていますが、地域によっては、より身近な事象としてストレートに受けとめてもらえるよう、「ニセ電話詐欺」や「うそ電話詐欺」などのネーミングを使っている地方自治体もあります。
 
認知機能や判断力が低下した高齢者が被害に遭うケースが多く、特に家族と離れて暮らしている高齢者がターゲットにされているようです。警視庁の「令和4年における特殊詐欺の状況について」よると、令和4年度の被害金額は約67億8000万円で、前年と比べて被害金額が約1億6000万円(+2.4%)増加しています。
 
手口別では前年と比べ、オレオレ詐欺、キャッシュカード詐欺盗、金融商品詐欺、ギャンブル詐欺、交際あっせん詐欺が増加しています。
 
図表1


出典:警視庁犯罪抑止対策本部 令和4年における特殊詐欺の状況について
 

特殊詐欺の手口

警視庁では、特殊詐欺の手口は以下の10種類に分類されています。


・オレオレ詐欺
・預貯金詐欺
・架空料金請求詐欺
・還付金詐欺
・融資保証金詐欺
・金融商品詐欺
・ギャンブル詐欺
・交際あっせん詐欺
・その他の特殊詐欺
・キャッシュカード詐欺盗(窃盗)

このうち、被害の多い「オレオレ詐欺」「キャッシュカード詐欺盗」「金融商品詐欺」の3つを紹介します。詐欺の手口を知って、自身や家族が巻き込まれないようにしましょう。
 

オレオレ詐欺

オレオレ詐欺は、電話で息子や孫などの親族のふりをしたり、その上司、警察官、弁護士などを電話で名乗ったりするなど、親族の仕事のトラブルや事故をでっち上げて現金をだまし取るものです。
 
急ぎでお金が必要であることを信じ込ませて現金を要求し、現金の受け取りは知人を名乗る受け子が担当します。以下は、オレオレ詐欺でよく使われる手口です。


「風邪をひいて喉の調子が悪い」
「携帯電話をなくして電話番号が変わった」
「会社のお金を入れたカバンがひったくりに遭った」
「会社のお金を投資に使い込んだ」
「痴漢の示談金が必要」

上記の手口に加え、金融機関の窓口で引き出し理由を聞かれたときに、「リフォーム代金」や「身内の不幸」などを回答するよう指示されることがあります。
 

キャッシュカード詐欺盗

キャッシュカード詐欺盗は、最近非常に被害が増加している詐欺です。
 
警察官や銀行職員などと偽ってターゲットに電話をかけ、「キャッシュカードが不正利用されている」「預金を保護する手続きをする」など、電話でうその情報を説明し、私服警察官や銀行協会職員などになりすましてターゲット宅を訪問します。
 
キャッシュカードを預かった後、わざとターゲットの注意をそらして、用意しておいた偽のカードと本物のカードをすり替え、ターゲットが気づかないうちに口座から現金を引き出すのが手口です。
 
以下は、キャッシュカード詐欺盗でよくある手口です。


「キャッシュカードが悪用されている」
「キャッシュカードの確認にいく」
「預金を保護する手続きにいく」

キャッシュカードを預ける際、詐欺者が持参した封筒にキャッシュカードと暗証番号を書いたメモを入れるように指示されます。
 
「キャッシュカードの入った封筒は開けずに保管しておくように」と指示されるため、キャッシュカードが偽物であることにはすぐに気づくことなく、知らない間に銀行口座から現金が引き出されてしまいます。
 

金融商品詐欺

金融商品詐欺は、パンフレット・はがき・SMSなどをターゲットに送り付けて、架空または価値がまったくない未公開株や有価証券、高級品などについてうその情報を伝えた後に電話をかけて、購入すればもうかると信じ込ませて金銭をだまし取る詐欺です。
 
金融商品詐欺でよくみられる手口はこちらです。


「必ずもうかる商品がある」
「案内が来た人しか購入できない」
「購入する権利がないから代わりに購入してほしい」
「名義だけでも貸してほしい」

興味がないと断っても「勝手に購入してしまった」と言われ、解約手数料を請求されることがあります。また、名義だけでもと名義貸しを行った場合、「名義貸しは犯罪だから捕まりたくなければ金を払え」などとお金をだまし取るケースもあります。
 

高齢者を狙った劇場型勧誘が増加

近年、「『老人ホーム入居権』を譲ってほしい」という詐欺電話による被害が増加しています。
 
これらは「劇場型勧誘」という手口でターゲットに詐欺行為をはたらくものです。劇場型勧誘は、複数の人物がそれぞれの役割を担当し、ターゲットをだまして契約させる詐欺的な勧誘です。
 
「老人ホーム入居権」の事例では、以下のような手口で複数の人物が登場しターゲットからお金をだまし取ろうとします。


「あなたには老人ホームに入居できる権利がある。権利がいらないなら他の人に譲ってほしい」
「権利を譲るためにお金を振り込む必要がある」
「あなた名義で申し込むので、あなたがいったんお金を払わなければならない」
「名義貸しは犯罪。警察に相談すると大変なことになる。だから金を払え」

このようなトラブルは、2014〜2015年度にかけてよくみられましたが、再び増加し始めています。高齢者人口が増えるなか、今後もこのような詐欺が増えるおそれがあるので要注意です。
 

まとめ

特殊詐欺の概要と、被害の多い詐欺3つ、劇場型勧誘について解説しました。
 
詐欺に遭わないためには、詐欺のパターンとだまされないための対策を知っておく必要があります。特殊詐欺や劇場型勧誘詐欺による被害を防止するために今すぐできる対策として以下のものがあります。


・知らない番号の電話に出ない
・お金を払う前に家族や警察、消費生活センターに相談する

大切な家族、資産を守るためにも、日頃から家族で相談しやすいようにコミュニケーションを深めておくのもいいでしょう。
 

出典

警察庁 特殊詐欺とは
警視庁 犯罪抑止対策本部 令和4年における特殊詐欺の状況について
警察庁 特殊詐欺の手口と対策
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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