更新日: 2023.03.30 子育て

【大学進学】子ども2人で「1400万円」必要!? 足りない場合は奨学金を利用すべき?

【大学進学】子ども2人で「1400万円」必要!? 足りない場合は奨学金を利用すべき?
子どもが大学進学を希望する場合に、通わせたいと考える方も多いでしょう。しかし、大学に行くためには入学金や授業料、通学費用など、多額の費用がかかります。
 
そのため、大学の費用準備に頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。本記事では、子ども2人を大学に通わせる場合にかかる費用を確認し、もし、手元の資金が足りない場合の対策を解説します。
辻本剛士

執筆者:辻本剛士(つじもと つよし)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種

活動拠点は神戸。FP個別相談や、プロスポーツ選手の資産形成サポートも行っております。プロスポーツ選手に保険、資産運用、支出の見直しなど包括的なアドバイスや、帳簿などの面倒な記帳業務を代行し、本業に集中できる環境作りをサポートします。

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大学にかかる費用

日本政策金融公庫の「令和3年度教育費負担の実態調査結果」によれば、大学への入学から卒業までの4年間にかかる費用の平均は次のような結果になりました。


国公立:総額約481万円(入学費67万円・在学費414万円)
私立文系:総額約690万円(入学費82万円・在学費608万円)
私立理系:総額約822万円(入学費89万円・在学費733万円)

大学にかかる費用は、主に入学費と在学費の2つに分かれていて、最初に入学費としてまとまった費用を要し、その後は在学中の4年間で在学費を支払います。
 
※入学費は受験費用や入学金など、入学するためにかかる費用
※在学費用は授業料や通学費など、在学中にかかる費用
 
仮に子ども2人が私立文系に通うとなれば、総額1400万円ほど大学費用がかかります。
 

大学費用を自己資金で準備できなかった場合の対策

大学費用は、少なくとも1人当たり500万円ほどかかることが分かりました。入学時の初期費用として、最低でも入学費として67万円(国公立の場合)ほどのまとまった資金が必要です。大学費用の捻出が間に合わない場合は、次のような対策を検討しましょう。
 

親族からの援助を活用する

親族(祖父母など)から資金援助の場合、「教育資金一括贈与の特例制度」を利用すれば、最大1500万円まで贈与税の非課税対象となります。
 
そのため、援助を受ける側だけでなく、祖父母などの援助をする側にもメリットがあります。主に次のような費用が教育費に該当します。


・入学金
・授業料
・通学費

「教育資金一括贈与の特例制度」の活用には、贈与を受ける人の合計所得金額1000万円未満などの要件がいくつかあるほか、まず金融機関に教育資金口座を開設し、その金融機関を通じて「教育資金非課税申告書」を提出する必要があります。詳しくは金融機関に確認してみましょう。
 

教育一般貸付(国の教育ローン)を利用する

教育一般貸付は、日本政策金融公庫が取り扱っているローンです。後ほど説明する奨学金とは借り入れのタイミングが異なり、入学前でも借り入れができるローンなので、入学費にもあてられます。教育一般貸付(国の教育ローン)の特徴は次の通りです。


・借入れ上限額は350万円
・返済期間は最長18年
・親がローンを組み、返済していく
・借り入れた直後から返済が始まる

 

奨学金を利用する

奨学金とは、経済的な事情で進学が困難である学生のために、学費を給付または貸与する制度です。特に、独立行政法人 日本学生支援機構(JASSO)が実施する奨学金がよく利用されています。
 
JASSOの奨学金は「給付型」と「貸与型」に分かれていて、「給付型」は返済不要の奨学金ですが、高校時代の成績が一定以上などの条件を満たさなければ利用できません。
 
「貸与型」は利息がかからない「無利息」と、利息を含めた返済が必要な「有利息」の2種類があります。奨学金は入学前に受け取れないので、入学費の支払いにあてることはできません。JASSOの奨学金(貸与型・有利息)の特徴は、次の通りです。


・借り入れ上限額は月額2~12万円
・返済期間は最長20年
・子どもがローンを組み、返済していく
・大学を卒業した後に、返済が始まる

奨学金は子どもがローンを組み、卒業後に返済していく仕組みです。そのため、子どもが奨学金の利用に納得するのか家族内で話し合い、その上で利用するかを決めなければなりません。
 

できるかぎり生活費で大学費用を準備しよう

大学にかかる費用と、大学費用を準備できなかった場合の対策を解説しました。主な対策は「親族に援助してもらう」「教育一般貸付(国の教育ローン)を利用する」「奨学金を利用する」です。
 
教育一般貸付(国の教育ローン)を利用するにしても、奨学金を利用するにしても、お金は極力借り入れないようにしたいですね。そのためには、前もって生活費のスリム化をはかり、できるかぎり自己資金から大学費用を準備できるようにしましょう。
 

出典

日本政策金融公庫 子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少~令和3年度「教育費負担の実態調査結果」~
国税庁 No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
日本政策金融公庫 教育一般貸付(国の教育ローン)
独立行政法人 日本学生支援機構 奨学金制度の種類と概要
 
執筆者:辻本剛士
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種

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