【トラブル】納車直後の新車に「キズ」が! 無償で直してもらえる? それとも「自己負担」になるの?
配信日: 2023.04.13
本記事では、実際にこのようなことが起きた際に修理費は誰の負担になるのか、そうならないためにはどうしたら良いのか、という点を解説していきます。
執筆者:宇野源一(うの げんいち)
AFP
目次
基本的に納車後は自己負担になる可能性が高い
過去に新車ディーラーで勤務していた筆者の経験をもとにお話をすると、基本的には納車後に発覚した車の傷などに関するトラブルについては自己負担になる、というのが結論です。なぜそのような理由になってしまうのか、以下で詳しく解説します。
納品書にサインしてしまっているから
新車の納車時には、引き渡し前に必ず車の確認を行います。確認内容は「車の装備品が注文通りついているか」という点はもちろんですが、「内外装に傷等はないか」という項目もあり、この確認を終えると書類にサインをします。
その書類はディーラーによって「納品書」であったり「確認書」であったりさまざまですが、この書類をもって引き渡しが完了した(=この後は買主負担)ということになります。
店舗を出た直後の行動による可能性が高いから
前段の書類にサインをして車の鍵を受け取り、お店を出た後の行動は買主側の自己責任です。一度公道に出てしまったら、車に何らかの傷がついてしまう可能性は十分に考えられるため、そこまで販売店であるディーラー側が修理費を負担する理由はありません。つまり基本的に、「納車後にどこかで傷がついた」という判断がされるのです。
納車後にトラブルが起こらないようにするためにはどうすればいい?
車が納車されたあと、傷が見つかったというトラブルにならないための回避策をここでは紹介します。基本的な行動ではありますが、覚えておいた方が後々のためになるでしょう。
車の外装を徹底的に確認する
早く車に乗りたいという気持ちはわかりますが、一度その気持ちを抑えて車をじっくりと見ることが大切です。正面からだけでなく、斜めからも見ることで小さなへこみを発見できることもあります。まずは時間をかけて、丁寧に車のボディをチェックしましょう。
傷があったら営業担当者と一緒に確認する
もし車に傷があったら、納車に立ち会っている営業担当者にも確認してもらうことが鉄則です。すぐに伝えておかないと、「納車時から傷があった」と言っても信じてもらえない可能性が高くなります。可能であれば、営業担当者に加え別のスタッフ1名くらいに見てもらうのがベストでしょう。
筆者が実際に体験した納車前の車トラブル
最後に、ディーラー勤務時代に筆者が実際に体験した、納車前に傷が発覚した事例を紹介します。かなりレアケースではありますが、このようなことも起こり得るということを知っていただきたいです。
フロントガラスに傷
新車の流通ルートはおおむね以下のとおりです。
(1)工場で車が完成、出荷
(2)ディーラーオプション取り付けのためにディーラーの集中工場(納車整備センター)に移動
(3)各店舗に搬入
ディーラーの営業担当者は(3)の時点で一度、届いた車の状態を確認します。その際に、フロントガラスに飛び石傷がついているのが発覚しました。通常、新車は工場などから積載車に載せられて運ばれますが、その時に飛んできた石によって傷がついたというレアケースです。このときは、ガラス交換でことなきを得ました。
エンブレムが剥がれていた
車にはエンブレムがついていますが、これは両面テープで貼りつけられているものが大半です。この粘着力が弱かったのか、搬入途中でエンブレムが剥がれて1文字だけ斜めになっていたということがありました。エンブレムは部品単体でも注文ができるので、新たに取りつけることで納車前に解決することができました。
高額な買い物だからこそ、自身でしっかり確認を
車は製造から運搬まで、複数の人が関わります。そのため、何らかのトラブルが起こり得る可能性は十分にあるので、納車前のチェックをしっかり行うことが大切です。新車が納車される人や購入を検討している人は、本記事を参考に愛車のチェックをしてみてはいかがでしょうか。
執筆者:宇野源一
AFP