更新日: 2019.01.07 その他暮らし
副業は会社単位でも可能って知ってました?「空いた場所」を生かすシェアリングサービスとは?
「会社が副業? それって新規事業とか事業の多角化なのでは?」と言われるかもしれません。
確かにそうなのですが、事業の多角化というより、「空いた場所を生かした副業」と呼ぶのがふさわしいようなスタイルが見られるようになっています。
Text:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。
使わない事務所スペースで副収入を得られないか?
ふつう会社の経営者が考えるのは、「ムダな経費を削りたい」ということです。たとえば事務所の家賃、これは大きな固定費です。売上に落ちても、必ず家賃は払わなくてはいけません。
それでは、事務所のスペースを完全に有効活用しているかというとそうでもなく、けっこうムダに使われているスペースがありませんか?
「このムダなスペースをお金に変えられないか」
とある建築事務所で、あまり使わない会議室があったそうです。とても素敵なインテリアで、しかも都心の駅近の便利な場所。しかし、会議室を使うのはせいぜい月に数回。
そこで、その建築事務所代表が考えたことは、空いた時間に「貸し会議室」として貸し出し収入を得ることです。
その方法は、インターネットを介して「貸しスペースのマッチングサービス」に登録すること。これは、「空いたスペースを貸したい人」と「安く空きスペースを借りたい人」をマッチングする仕組みです。
都心部の貸し会議室というのは意外と高いものです。1時間数万円かかることもあります。また、大がかりな場所でなく、ちょっと二人で打ち合わせしたいというニーズもあります。
そんなニーズに乗って「貸しスペースのマッチングサービス」は利用が広がっています。前述の建築事務所が選んだのは「スペースマーケット」というシェアリングサービス(貸したい人と借りたい人の仲介をするサービス)でした。
その建築事務所では、あまり使われていなかった会議室が、少しですがお金を生むようになりました。ただし、いいことだけではなく、片付けや備品など管理する手間も増えたということです。
お店の一角がロッカーとして副収入に替らないか?
たとえば、旅行の途中で大きなスーツケースなどをどこかに預けたいと思うことはありませんか? でも東京や大阪の繁華街では、なかなかコインロッカーを見つけられないですね。
空きスペースを生かして荷物預かりをするという「会社の副業」もあります。「お店の副業」といった方がいいかもしれません。
たとえば「ecbo cloak」(エクボクローク)という「荷物を預けたい人」と「荷物を預かるスペースを持つお店」をつなぐシェアリングサービスがあります。
これはサイトで事前予約をして、コインロッカーの代わりに、カフェや美容院、レンタサイクル店、着物レンタル店などの多種多様なスペースに荷物を預けることができるものです。
「大きな荷物を預けたい」というニーズは旅行時だけではありません。楽器やスポーツ用品などコインロッカーに入りきらないものも預かってくれると、会社の行き帰りなどに便利ですね。
この「荷物を預かるスペースを持つお店」に登録すると、お店にとってはプラス収入になります。それだけでなく、カフェならついでにお茶を飲んでもらうなど集客に結びつくかもしれません。
個人だけでなく、会社やお店も副業でプラス収入を考える時代なのですね。
Text:藤木 俊明(ふじき としあき)
明治大学リバティアカデミー講師・副業評論家