更新日: 2023.05.25 その他暮らし
イソップ寓話「金の斧・銀の斧」の価値は?2023年も高騰が続く金相場で計算してみた
この金の斧・銀の斧はどれくらいの価値があったのでしょうか? 2023年も高騰が続く現在の金相場で、その価値を計算してみました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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2023年も高騰中! 金価格推移は?
金相場は高騰を続けています。田中貴金属工業が公開している金の年次価格推移によると、参考小売価格(税抜き)の最高値は、20年前(2003年)で1gあたり1510円、10年前(2013年)は1gあたり5084円でした。
2022年に1gあたり8154円を記録した金相場は、2023年4月に1gあたり8736円、5月10日時点では9794円(税込み)にまで高騰しています。
金相場が高騰している理由として、ロシアのウクライナ侵攻・新型コロナウイルスの流行・円安などが挙げられます。世界情勢が不安定になると、株や通貨の信用が揺らぎ、実物資産である「金」の需要が高まる傾向にあります。
イソップ寓話「金の斧・銀の斧」の価値はどのくらい?
金といえば、イソップ寓話に登場する、金の斧を思い浮かべる方も少なくないでしょう。
寓話によると、あるきこりが川のそばで木を切っていたところ、手が滑って斧を川に落としてしまいました。困って泣いているきこりの前に現れたのは、ギリシャ神話の神様ヘルメスです。
金の斧・銀の斧を順番に差し出して「お前のものか?」と尋ねたところ、きこりは正直に「違う」と答えました。最後に鉄の斧を差し出すと、正直に自分のものであると答えたきこり。ヘルメスは金の斧・銀の斧も与えることにしました。
これは、正直であることの大切さを教える、世界的に有名な話ですが、きこりが手にした金の斧・銀の斧は、高騰が続く現在の金相場で、いくらくらいの価値があるのでしょうか。
一般的な鉄の斧は2〜4kgほどです。そこで、きこりの斧を3kgだとして計算してみると、金の斧・銀の斧の価値は以下のとおりです。
・金の斧
金の比重は鉄の約2.5倍です。きこりの鉄の斧が3kgだとすると、金の斧は7.5kgに相当します。
その金を、田中貴金属工業に買い取ってもらうと仮定すると、5月24日時点の店頭買取価格(税込み)は1gあたり9629円です。よって、きこりが手に入れた金の斧は、7221万7500円の価値があると分かります。
・銀の斧
銀の比重は鉄の約1.3倍です。よって、きこりがもらった銀の斧は3.9kgだったと仮定できます。
5月24日時点の銀の店頭買取価格(税込み)は1gあたり112.42円ですから、銀の斧の価値は43万8438円になります。
金の売り時は今かも!? 売買のタイミングを見極めよう!
正直者のきこりは、現在の価値で7265万5938円もする金の斧・銀の斧を手に入れました。当時いくらで売れたかは定かでありませんが、正直であることで、思わぬ富を得たと考えられます。
金相場は比較的安定しており、急激に上下する可能性は低いといわれていますが、売買する際は、タイミングを見極める必要があります。
長期的にみると、金の価格はこれからも上昇すると予想されますが、短期的にみると、新型コロナウイルスの流行が収束し、円安が解消されつつある今が、売り時かもしれません。
日頃から、社会情勢や経済のニュースに目をとめて、売買のタイミングを見極めるとよいでしょう。
出典
田中貴金属工業株式会社「貴金属価格情報」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー