カーシェアで「年間30万円」節約可能!? コスト以外で思わぬ落とし穴も

配信日: 2023.05.26

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カーシェアで「年間30万円」節約可能!? コスト以外で思わぬ落とし穴も
カーシェアはこの10年で車両台数、会員数ともに10倍近く市場規模が増加しています。カーシェアは自分で車を保有するよりもコストを抑えられるのが人気の要因で、利用している人も多いのではないでしょうか。ただし、注意して利用しないと思わぬ落とし穴もあります。
 
本記事では、カーシェアの上手な利用方法、思わぬ落とし穴を紹介します。
御手洗康之

執筆者:御手洗康之(みたらい やすゆき)

CFP、行政書士

カーシェアと自動車保有のコスト比較

カーシェアの料金体系は各社で異なりますが、一般的な料金として15分200円程度のプランと、6時間以上などの比較的長時間で利用するプランが準備されていることが多いです。
 
また、レンタカーと違い、ガソリン代金が一切かからないのもカーシェアを利用するメリットといえます。ここではカーシェアを利用する場合と、自動車を保有する場合でどれだけコストが変わるのかをシミュレーションしてみます。
 

カーシェアの年間コスト例

カーシェアを以下の条件で利用すると仮定してシミュレーションすると、年間でかかるコストはおよそ20万円です。

【前提条件】

・1週間に2回、それぞれ2時間利用する(1ヶ月を4週間とする)
・1ヶ月に1回、6時間利用する
・200円/15分、4500円/6時間 の料金体系とする

200円(15分)×8=1600円(2時間)×2回分=3200円×4週間=1万2800円(1ヶ月)
1万2800円+4500円(月1回の6時間利用分)=1万7300円(1ヶ月の合計)
1万7300円×12ヶ月=20万7600円(1年間の料金合計)
 

自家用車の年間コスト例

自家用車は排気量や車種によってコストが変わりますが、ここでは一般的なコンパクトカーを想定しています。税金やガソリン代、車体価格も含めると年間でかかるコストはおよそ50万円です。

【一般的な車の維持費】

自動車税:3万円
自動車保険:7万円
車検等のメンテナンス:5万円
ガソリン代:10万円
駐車場代:10万円
車体価格:20万円(200万円の車を10年間利用したとする)
合計:55万円

 

カーシェアは地域で利便性が大きく変わる

簡単なシミュレーションではカーシェアのほうが年間で30万円近く節約できそうだと分かります。ただし、実際にはカーシェアはお住まいの地域によっても簡単に利用できるかが大きく違います。
 
図表1は大手カーシェアであるタイムズカーの地域別車両数です。東京や大阪などいわゆる大都市圏では多くの車両が用意されており、ステーションも増えていますが、需要が少ないと思われる地方部では都心ほどの数がありません。一般的にいえば、車がないと生活しにくい地方部のほうが逆にカーシェアは利用しにくいと考えられます。
 
【図表1】タイムズカーの地域別車両台数


 
タイムズカーのステーション検索から筆者作成(2023/5/20時点)
 

コスト以外のメリットとデメリットにも注意しよう

カーシェアは自家用車を保有するよりもお金が節約できることが多く、実は車を所有する必要はなかったという気づきにつながることもあります。ただし、カーシェアは利用できる会社やステーションがあっても、利用したいときに利用できるとは限りません(図表2)。
 
【図表2】メリットとデメリット


 
カーシェア各社の情報から筆者作成
 
車の保有をやめたあとで、「やっぱり車がないと不便すぎる……」とならないように、コストだけに目を向けず、お住まいの近くのカーシェアリングステーション状況や、利用したいときに予約ができるかどうかといったこともよく調べておくほうがよいでしょう。
 

出典

公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団 わが国のカーシェアリング車両台数と会員数の推移
 
執筆者:御手洗康之
AFP、FP2級、簿記2級

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