更新日: 2023.06.02 その他暮らし
借りている駐車場に赤の他人が「無断駐車」! 「罰金」を支払わせることは可能?
本記事では、罰金を支払わせることが可能なのかなど、無断駐車された場合の対処法について解説します。また、無断駐車を予防する方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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無断駐車された! 勝手にどかせる? 罰金を支払わせることは可能?
結論からいうと、無断駐車している車を勝手に移動することはできません。これは、公的権力を通さずに個人の権力を行使することを禁止している「自力救済禁止の原則」のためです。
そのため、無断駐車している車を勝手にレッカー移動などしたら、自分が器物損壊罪や窃盗罪に問われる可能性が高いのです。また、無断駐車している車のタイヤをロックしたり、ポールなどを立てて動けなくしたりする行為も同様なので、注意しましょう。
また、無断駐車している車の所有者に、民間人が「罰金」を支払わせることはできません。ただし、「損害賠償」を請求することはできます。無断駐車は損害賠償請求の対象になっているため、民法703条で定められている不当利益返還請求や、民法第709条の不法行為といった法を適用できるのです。その場合、駐車場の使用料相当額を請求できます。
使用料相当額は、月極め駐車場なら月額使用料、店舗や事務所の駐車場なら「周辺地域の使用料単価(目安)×無断駐車の期間」として計算します。例えば、店舗や事務所の駐車場に丸2日間違法駐車された場合は、周辺の有料駐車場が1時間あたり400円程度なら、「400円×48時間」で1万9200円です。
損害賠償の請求には、まずは催告したことの公的な証拠となる内容証明を相手に送ります。それでも改める様子がなければ、裁判所へ提訴しましょう。
ただし、内容証明の送付や裁判所への提訴を行政書士や弁護士に依頼すると、数万~十数万円の依頼料がかかります。一方、自分で対応すると、切手代や数千円の収入印紙代だけで済むのです。その上、勝訴した場合はその割合に応じて訴訟費用を相手に請求できます。なお、不明な部分がある場合は、法律専門家のネット相談室の利用が有効です。
知っておきたい! 無断駐車の対処法と予防策を紹介
自分の駐車スペースに無断駐車された場合は、駐車場の管理会社や大家に連絡を取ります。そのとき、無断駐車している車の車種や色、ナンバーや特徴も一緒に連絡しましょう。あとは管理会社や大家が警察へ連絡をしてくれるはずです。また、臨時に止められる駐車枠を案内してくれることもあるでしょう。
無断駐車している車へ警告文を貼るのもよい方法です。しかし、はがしにくいテープで貼るとトラブルに発展する可能性があるため注意しましょう。車を傷つけたとして、器物損壊罪になる場合があるのです。
そのため、警告文はワイパーなどに挟むのがよいといえます。後のために、警告文を置いた状況を写真に残しておくのがポイントです。警察へ直接連絡をすることもできますが、駐車場は公道ではないためレッカー移動はしてくれません。それでも、ナンバーから所有者を照会して連絡を取ってくれるで しょう。ほとんどの場合がこれで解決しているので、とても効果的です。
無断駐車をさせないためには、駐車スペースにカラーコーンやチェーンスタンドを置いて、駐車できないようにするのが最も効果があります。「無断駐車禁止」などの張り紙をしておくと、さらに効果的です。
ちなみに、カラーコーンなどはホームセンターで安価に手に入れられます。また、無断駐車をする人間は防犯カメラを嫌がる傾向があるため、駐車場の管理者に防犯カメラを設置してもらうのも有効な予防策です。駐車スペースに、名前入りのプレートを設置してもらうのもよい方法でしょう。
NG行為と有効な対処法を理解して無断駐車に正しく対応しよう
自分が契約している駐車スペースに無断駐車されると、本当に腹が立つものです。警察に連絡しても、公道でなければレッカー移動はしてくれません。
だからといって、自分で勝手に移動したり、タイヤをロックして動けなくしたりするのはNGです。器物損壊罪などに問われ、逆に訴えられる可能性があります。そのため、してはならないNG行為と有効な対処法を理解して、無断駐車に正しく対応しましょう。
出典
e-Gov法令検索 民法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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