育休中の「臨時出社」は要注意! 育児休業給付金が支給・減額されるケースとは?
配信日: 2023.06.05
こちらの記事で、育児休業中給付金が減額または支給停止となるケースなどを解説しました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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育児休業給付金とは
育児休業給付金とは、育児休業を開始する日より前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上ある労働者が育児休業をするとき、休業している期間中に支給される給付金です。
育児休業開始から180日目まで:休業開始前の賃金の67%
育児休業開始から181日目以降:休業開始前の賃金の50%
育児休業給付金は、育児休業中の収入を確保する手段として、社会的にも重要な役割を果たしています。
制度上、育児休業中の就労は想定されていない
育児・介護休業法上の育児休業は「子の養育を行うために、休業期間中の労務提供義務を消滅させる」という趣旨です。休業期間中に就労することは想定しておらず、母の健康回復や子の健やかの成長を見守ることに専念する期間とされています。
しかし、労使の話し合いにより「子の養育をする必要がない期間」にかぎり、一時的・臨時的に就労することは可能です。
育児休業中に就労すると育児休業給付金が減額または全額支給停止になる
育児休業期間中の就労が月10日(10日を超える場合は80時間)以下であれば、育児休業給付金は全額支給となります。
しかし、下記に該当する場合は育児休業給付金の一部または全額が支給停止となるため、注意しましょう。
・休業中の賃金が賃金月額の13%を超えて80%未満の場合: 「賃金月額×80%」と賃金の差額が支給額となる
・休業中の賃金が賃金月額の80%以上の場合:全額支給停止
育児休業期間中の就労が恒常的・定期的している場合は、そもそも育児休業をしていることにはならない点も要注意です。
育児休業給付金が支給対象になるケース
育児休業給付金が減額または支給停止になるのは、休業中に働きすぎたケースです。以下で、育児休業給付金が支給対象になるシチュエーションを紹介していきます。
引き継ぎが不十分だった
育児休業を取得する際には、自身の担当業務を後任に引き継ぐのが一般的です。
引き継ぎをする時間が十分に取れていない場合、後任から仕事の進め方について聞かれるケースが考えられます。場合によっては、電話だけでは済まずに出社する必要に迫られることもあるため、引き継ぎのために出社が重なると育児休業給付が減額される要因になり得ます。
人手不足で出勤せざるを得ない
職場が人手不足の場合、育児休業期間中にヘルプを求められる可能性があります。出産からの回復が順調で働ける状況にある場合、実際に出勤することもあるでしょう。
あくまでもヘルプとはいえ、出勤が多くなると育児休業給付金が減額される可能性があるため注意しましょう。
まとめ
育児休業給付金は「育児休業をしており、就労していない」という前提のもと、支給される給付金です。何らかの事情で育児休業期間中に出勤することになる場合、出勤日数が多いと育児休業給付金が減額または支給停止になる可能性があります。
制度を知らずに出勤すると、給付金が減額されて生活にも影響が出る可能性があるため注意しましょう。
出典
厚生労働省 育児休業給付について
厚生労働省 育児休業中の就労について
厚生労働省 育児休業期間中に就業した場合の育児休業給付金の支給について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー