更新日: 2023.06.07 子育て
大学に進学して1人暮らしをすると、生活費はいくらかかる? 仕送り額は?
特に大学生活を想定した場合、自宅から通学する場合と、1人暮らしさせて仕送りする場合では、家計への負担も大きく変わります。実際それぞれどのくらいの費用がかかるのか知ることが、不安解消の手段となります。
本記事では、主に大学生にかかる生活費を見ていき、学費との相関関係を確認します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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自宅から通う場合と、それ以外とでは、生活費(食費・住居費・交通費)はどのくらい違うの?
図表1では2022年10~11月に行われた、大学生活に関する調査結果の一部をまとめています。自宅から大学に通う大学生を「自宅生」、アパート・マンション・学生会館・下宿など(寮生除く)で暮らす大学生を「下宿生」として、1ヶ月にかかる食費・住居費・交通費で比較してみます。
図表1
1ヶ月当たり | 自宅生 | 下宿生 |
---|---|---|
食費 | 1万1390円 | 2万4130円 |
住居費 | 330円 | 5万3020円 |
交通費 | 9340円 | 4210円 |
合計 | 2万1060円 | 8万1360円 |
※全国大学生活協同組合連合会「第58回学生生活実態調査 概要報告」より、筆者作成
自宅生に比べて、下宿生はおよそ4倍の費用がかかることが分かります。なお交通費については下宿生のほうが低く、自宅生のおよそ2分の1です。
親はいくら負担すると考えればいいの?
続いて同調査結果を用い、大学生の子どもに親が捻出する金額を比較します。自宅生=小遣い、下宿生=仕送り、の費目で比較してみましょう。
図表2
1ヶ月当たり | 自宅生への小遣い | 下宿生への仕送り |
---|---|---|
1万980円 | 6万7650円 |
※全国大学生活協同組合連合会「第58回学生生活実態調査 概要報告」より、筆者作成
親が自宅生や下宿生に捻出する金額の差は、なんと6倍以上です。とはいえ、各家庭から送金されている額にはばらつきがあるようです。図表3は、仕送り金額の分布です。
図表3
0円 | 8.3% |
5万円未満 | 18.4% |
5万~10万円未満 | 25.1% |
10万円以上 | 33.8% |
※全国大学生活協同組合連合会「第58回学生生活実態調査 概要報告」より、筆者作成
1ヶ月当たり10万円以上仕送りしているご家庭が3割以上ある一方で、まったく仕送りしていないご家庭も1割弱あるという結果になりました。
国立・公立・私立で生活費を比較すると?
ご家庭の家計負担を考えると、学費との相関結果も気になるところでしょう。学費の負担は一般的に、国立・公立<私立といわれています。ここで、日本学生支援機構による、2020年の調査結果を確認してみましょう。図表4は自宅生・下宿生を問わず、大学生の年間費用の平均額を、大学の種類別に比較したものです。
図表4
年間費用 | 学費 | 生活費 | 合計 |
---|---|---|---|
国立 | 59万2000円 | 83万9800円 | 143万1800円 |
公立 | 60万5000円 | 76万7900円 | 137万2900円 |
私立 | 131万700円 | 61万7900円 | 192万8600円 |
※独立行政法人日本学生支援機構「令和2年度学生生活調査結果」より、筆者作成
生活費は国立>公立>私立ですが、学費は私立が抜きんでて高いようです。その差の開きが大きいので、合計額でも私立が突出して高額となりました。
まとめ
大学生の1人暮らしは、自宅から通う大学生に比べて、およそ4倍も生活費がかさむことが分かりました。ただし仕送りについては家庭によって、かなり額にばらつきがあるようです。
学費も含めて考えた場合、家計の負担は自宅から国公立に通う場合が一番軽く、1人暮らしで私立に通う場合が一番重い、という結果になりました。この結果を参考に、大学進学費用の準備をしてみてはいかがでしょうか。
出典
全国大学生活協同組合連合会 第58回学生生活実態調査 概要報告
独立行政法人日本学生支援機構 令和2年度学生生活調査結果
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー