更新日: 2019.01.10 その他暮らし

匿名で運営しているブログやSNS。本名をばらされたら賠償請求できる?

匿名で運営しているブログやSNS。本名をばらされたら賠償請求できる?
ハンドルネームを使ってブログやSNSを利用している人もいますよね。
 
実名でないからこそ、自分の作品をネット上で公開したり、思ったことを自由に発信できる面もあるのではないでしょうか。
 
しかし、閲覧者の中には、有名なブロガーや人気のSNS利用者に対して、中傷したり、個人情報を明かそうとしたりする人もいます。もし、匿名で活動している人がネット上で本名をばらされたら、相手に賠償請求することは可能なのでしょうか。
 
人気主婦ブロガーのMさんの例を見てみましょう。
 
FINANCIAL FIELD編集部

Text:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

石垣美帆

監修:石垣美帆(いしがき みほ)

弁護士

中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。

カリスマブロガーのMさん。ある日ネットで本名をばらされて…

Mさんは小学生の子どもをもつ専業主婦です。
 
子どもが学校に行っている間は暇を持て余していたため、趣味の料理をテーマにブログをはじめました。本名を出すのは気が引けたため、ハンドルネームを使っています。
 
何の気なしにはじめたブログでしたが、口コミで人気が広がり、ついにはブログの広告収入で月数十万円稼ぐほどに。先日は出版社から料理本発売の話が来たところです。
 
誰もがうらやむシンデレラストーリーを実現したMさんですが、その成功を妬む人たちも現れました。ネットの掲示板では、悪口を言われることもしばしば。Mさんは、極力そのようなものは見ないようにして過ごしました。
 
しかし、ある日のことです。小学校の保護者会で、あるママ友が声をかけてきました。
 
「Mさん、ネットで本名晒されてるけど大丈夫?」
 
Mさんはぞっとしました。家に帰ってパソコンを開くと、ブログのコメント欄にMさんの本名と年齢、住んでいる地名が書き込まれていました。慌てて削除したものの、すでに他の掲示板やSNSで拡散されてしまったようです。
 
今までも批判的なコメントはありましたが、本名で悪口を言われるのは精神的なダメージが比になりません。Mさんは本名をばらした人に対して強い憤りを感じました。相手の身元を明らかにして、損害賠償を請求するつもりです。

*物語はフィクションです。
 

匿名で運営しているブログやSNS。本名をばらした人に対して賠償請求は可能なのでしょうか。東京桜橋法律事務所の石垣美帆弁護士にお伺いしました。

このようなケースで損害賠償を請求することは可能だと思います。
 
自己の情報をコントルールする権利があると考えられるため、プライバシーの侵害として請求できるのではないでしょうか。
 
賠償請求の金額に関してはケースバイケースであるため、状況によって異なります。
 

匿名で活動している人の本名をばらした人に対して、損害賠償請求することは可能

Mさんのようなケースでは、損害賠償請求することが可能だということが分かりました。
 
ネット上だから問題ないと軽い気持ちで人の個人情報を書き込んだり、誹謗中傷したりしてはいけません。みんなもやっていると高をくくっていると、逮捕されたり、賠償請求されることもあります。
 
また、Mさんのように、誰にも知られずネット上で活動したいという人は、プライバシーの管理に気を付けましょう。もし被害に遭ってしまったら、弁護士に相談することも検討してみてください。
 
Text:FINANCIAL FIELD編集部
監修:石垣 美帆(いしがき みほ)
弁護士
中央大学法科大学院卒業後、弁護士登録。原子力損害賠償紛争解決センターでの勤務経験を持つ。「幸せになるお手伝いをする」をモットーに日々邁進中。お客様のご相談を受けるに際し、「共感力」を大切にしています。

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集