事務員ですが「男子トイレ」の掃除もしなければなりませんか? 掃除代金を請求したい気持ちです…
配信日: 2023.06.12
本記事では、全く異なる業務を命じられてやるせない気持ちを抱えている人向けにトイレ掃除を断れるか、詳しく解説します。また、やむを得ず清掃する際は、手当を請求できるのか否かについても取り上げていますので、参考にしてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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業務に関係ないトイレ掃除は断れる?
業務に関係ないトイレ掃除が断れるかどうか、まずは労働契約を確認してみましょう。労働契約書を確認して、清掃業務や指示された業務など、トイレ掃除に該当する記載がなければ断れる可能性があります。
一方で、業務内容に含まれていて、かつ正当な理由がない場合には、断ることで減給・出勤停止・解雇などの不利益な処分を受ける恐れが出てきます。
・ハラスメントに該当する場合には断れる可能性も
例えば、女性に男性用のトイレを掃除させたり、女性のみがトイレ掃除を押しつけられたりする場合は、ハラスメントに該当する可能性があります。
異性のトイレを掃除させることはセクシュアルハラスメント、性別により役割を押し付けることはジェンダーハラスメントに該当する恐れがあるでしょう。また、特定の人のみにトイレ掃除をさせる場合も、パワーハラスメントに該当する可能性があります。
ハラスメントに該当する際は拒否したり、労働組合に相談したりするなど、常態化しないように素早く対処を講じることが大切です。
・「罰としてトイレ掃除」は断れる可能性が高い
懲戒処分を行うために、理由となる事由と種類や程度が就業規則上明記されていれば、罰としてトイレ掃除を命じても問題にならない場合があります。
ただし、ノルマを達成しない社員のみにトイレ掃除を命じるなど、該当しない場合において懲罰的にトイレ掃除を命じるのは、違法性が高いと言えるでしょう。
トイレ掃除で手当は請求できるか?
業務に関係ないトイレ掃除を命じられた際に、手当を請求できる可能性は低いと言えます。労働契約を確認してトイレ掃除が業務内容として記載されている場合は、掃除も支給される給与に含まれています。反対に、労働契約に記載されていない場合は、掃除自体を拒否できる可能性があるでしょう。
・法定時間外手当を請求できる場合はある
トイレ掃除が任意でなければ、労働時間扱いとなります。実働8時間を超えてトイレ掃除を行う場合は、法定時間外手当を請求できます。ただし、休憩時間を設けて実働8時間に調整する場合は、法定時間外にはならず手当が支給されないので注意が必要です。
トイレ掃除が任意の場合は労働時間扱いとならないため、法定時間外手当は支給されません。
労働契約を確認して労働組合による団体交渉を検討してみる
女性が男性用のトイレ掃除を命じられる、一部の社員のみトイレ掃除を押し付けられるなど、職場環境に問題があると感じているなら対策を講じてみましょう。
賛同する同僚と労働組合による団体交渉を行ったり、労働局の雇用均等室へ相談したりするのも1つの方法です。1人で抱え込まずに、トイレ掃除を断る方法を模索してみましょう。
出典
厚生労働省 知っておきたい 働くときのルールについて
厚生労働省 労働条件・職場環境に関するルール
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー