更新日: 2023.06.20 その他暮らし

「行政書士」は独学でも合格できる?独学で合格するのにかかる費用とは?【行政書士が解説】

「行政書士」は独学でも合格できる?独学で合格するのにかかる費用とは?【行政書士が解説】
人気資格のひとつともいえる行政書士は、その難易度から資格予備校に通って勉強する方が多くいらっしゃいます。一方、独学での資格取得を目指される方もいらっしゃいます。
 
そこで、独学で行政書士試験への合格が可能なのか、そしてその場合どれくらいの費用がかかるのか解説していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

行政書士試験は独学でも十分合格できる

行政書士試験の合格率は、年によって多少のばらつきはあれど、おおむね10%前後で推移しています。直近に当たる令和4年度の試験は、受験者数4万7850人に対して合格者数は5802人、実に合格率は12.13%です。
 
ここだけ見ると、独学での合格は難しいように感じられるかもしれません。しかし、少数派ではあるものの、独学で合格されている方も時折いらっしゃいます。
 
質の高いテキストや問題集が、多くの資格予備校から出版されている現在においては、自分の得意な部分と苦手な部分を知り、試験傾向を分析しながらコツコツと学ぶことができれば、資格予備校に通う必要は、あまりありません。
 
逆に、自らの得意と不得意を分析しながら計画立てて学習することが苦手な方などは、資格予備校に通った方がいいでしょう。
 

独学であれば4万円以内で合格できる可能性がある

独学の場合、行政書士試験は、最安2万円程度で合格できます。内訳としては以下の通りです。
 
【図表1】

支出項目 価格
テキスト 4000円程度
過去問題集 4000円程度
予想問題集 2000円程度
受験費用 1万400円
合計 2万円程度

※筆者作成
 
ただし、より確実に合格するため、テキストと過去問題集について上下巻の物を購入したり、別途記述試験対策の書籍を購入したりすると、3万6000円程度の費用がかかる場合もあります。
 
【図表2】

支出項目 価格
テキスト2冊 8000円程度
過去問題集2冊 8000円程度
予想問題集 2000円程度
記述対策本 1800円程度
判例六法 6000円程度
受験費用 1万400円
合計 3万6000円程度

※筆者作成
 
仮に、別途苦手分野の対策にもう1冊本を購入したとしても、4万円の範囲に収まるでしょう。プロの指導が受けられない分、効率よく学習するためにも、お金を惜しまず自身に合った教材を購入することが、独学での合格の秘訣のひとつでもあります。
 
資格予備校に通うと、20万円や30万円といった費用がかかる可能性があることを考えると、仮に4万円程度教材にかけても、独学の費用は非常に小さいと言えます。2万円から4万円の費用で、キャリアチェンジや独立によって働き方を変えたり、年収をアップさせたりすることのできる資格の取得がかなうと考えると、独学にかかるコストは非常に低いといえます。
 
令和5年6月15日現在、求人情報サイト「求人ボックス」上での行政書士の平均年収は正社員で407万円となっています。行政書士の資格を取得して働くことができれば、生活していくために十分な収入が期待できます。
 

独学合格のカギは教材の選び方

行政書士試験に独学で合格しようと思ったら、効率よく学習するだけでなく、自身に合った教材を利用することが大切です。
 
例えば、筆者の例で言えば、テキストは一番情報量が多いものを選びましたし、過去問題集は、解説が充実していて、掲載問題が多いものを選びました。また、次に問われそうな論点を洗い出すために、条文や判例を確認するための判例六法も購入しました。
 
行政書士試験は、人気試験なだけあって、教材にはさまざまなものがあります。同じ内容でも、記載の仕方が少し異なるだけで、分かりやすい、分かりにくいといった違いが生まれてきます。わずかな違和感が長い時間の勉強で大きな差となり合否を分けることもあります。
 
教材には多少お金をかけてでも、自分に合ったものを購入するべきです。
 

行政書士試験は独学でも2万円から4万円程度で合格できる

行政書士試験は、独学で合格可能な試験です。2万円から4万円程度の出費で合格できるため、資格予備校に比べて低いコストで合格が可能です。
 
行政書士試験に独学で合格しようと思ったら、書籍の購入費についてためらうことなく、いかに粘り強く効率よく学習できるかに主眼を置くといいでしょう。
 

出典

一般財団法人行政書士試験研究センター 最近10年間における行政書士試験結果の推移
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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