更新日: 2023.07.05 その他暮らし

「マイナンバーカード」は返納できる? 返納のデメリットも解説

「マイナンバーカード」は返納できる? 返納のデメリットも解説
マイナンバーカードは本人の意思で返納できます。最近の個人情報に関する報道を受けて、返納したいと考える人もいるでしょう。もしマイナカードを返しても一度もらったマイナポイントはなくならないので安心です。
 
しかし、カードがなくなるだけで個人に割り当てられたマイナンバーがなくなるわけではありません。本記事では、マイナカードを返納するとどうなるかについて解説します。
二角貴博

執筆者:二角貴博(ふたかど たかひろ)

2級ファイナンシャルプランナー

マイナカードを返納するには?

マイナカードは、市区町村役場にカードと「個人番号カード返納届」を提出することでいつでも返納できます。返納する場合には次の書類が必要です。
 

・本人
運転免許証やパスポート、健康保険証などの本人確認書類
 
・代理人
代理人の本人確認書類、委任状、本人との関係を確認できる書類

 
返納する前に、必要書類についてお住まいの自治体に事前に連絡しておくと確実です。なお、返納したマイナカードは回収されて利用できなくなるので、今後再交付する場合には、再交付手数料1000円(電子証明書が不要である場合は800円)が必要となります。
 

マイナカードが心配なこと

マイナカードへの不安の声を報道などで耳にした人もいるのではないでしょうか。主に心配されていることは次の3つです。
 

(1)紛失や盗難のリスクがある

マイナカードは健康保険証として利用できます。しかし、持ち歩くとなくしたり盗まれたりするリスクがあります。もし、紛失や盗難にあった場合は、マイナンバー総合フリーダイヤルに電話しましょう。
 

(2)個人情報が漏えいするリスクがある

マイナカードが別人の個人情報とひもづけられたり、別人の証明書が交付されたりする事件が報道されています。件数が少ないとはいえ、自分にも起こらないか、注意しなければなりません。
 

(3)カードに有効期限があるため更新に時間がかかる

マイナカードの有効期限は、発行日から10回目の誕生日までです(未成年は5回目の誕生日まで)。また、格納されている電子証明書は年齢にかかわらず、5回目の誕生日まで有効となっています。
 
単なる顔写真付きの身分証明書(運転免許証など)として利用しているだけではなく、健康保険証などとして利用するために暗証番号を設定している場合には、約5年ごとに手続きが必要になります。なお、カードと電子証明書の更新手数料は無料です。
 

マイナカード返納でできなくなること

マイナカードを返納するのは難しくありませんが、次のことができなくなります。
 

(1)顔写真付きの本人確認書類として使えない

運転免許証やパスポートなどの顔写真付きの証明書をもっていない人は、本人確認する際に意は健康保険証などの書類で証明が必要です。
 

(2)コンビニで戸籍証明書や住民票などの各種証明書が取得できない

証明書を受け取るために市区町村役場の窓口に出向いたり、郵送で申請したりする手間がかかります。
 

(3)健康保険証としても使えない

紙の健康保険証が廃止されると、医療機関を受診する際に毎年資格確認書を発行してもらう必要があります。
 

(4)マイナポータルで電子申告など一部利用できない行政サービスがある

電子申告など自宅でできるサービスの一部が利用できなくなります。
 

マイナカードとマイナンバーは何が違う?

マイナカードとマイナンバーの違いを押さえておきましょう。マイナンバーとは、国民一人ひとりに割り当てられた12桁の個人番号そのもののことです。結婚や引っ越し、転職などをしても変わりません。
 
一方、マイナンバーカードは、マイナンバーが記載された、集積回路(IC)チップ付きのカードのことです。
 
マイナカードを返納しても個人に割り当てられたマイナンバーは廃止される訳ではありません。返納後も、国や自治体・金融機関などでマイナンバーの記載を求められることは変わらないでしょう。
 
また、マイナカードを返納してしまうと、マイナンバーの証明が難しくなります。通知カードはマイナカードを受け取るときに返納しているか、紛失している場合は紛失届を提出しているので、手元にないはずです。
 
マイナンバーを証明するには、個人番号が記載された住民票の写しや住民票記載事項証明書(証明手数料は300円の自治体が多い)を発行してもらわなければならなくなるでしょう。
 

マイナカードの返納は慎重に

マイナカードに関する最近の報道を受け、返納したいという人もいるでしょう。マイナカードは義務ではないので返納するのは自由です。ただし、返納する際のデメリットの例は次のとおりなので認識しておきましょう。
 

・健康保険証として毎年資格確認証が必要となる
・自分のマイナンバーを証明するのが難しくなる
・電子申告手続きなどの行政手続きの一部ができない

 
マイナカードとマイナンバーは別のものです。マイナカードを再交付するには時間と費用も必要となります。どうしても返納する場合には、デメリットを理解しておきましょう。
 

出典

デジタル庁 よくある質問:マイナンバー制度について(総論)
デジタル庁 マイナンバー(個人番号)制度・マイナンバーカード
 
執筆者:二角貴博
2級ファイナンシャルプランナー

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