更新日: 2023.07.12 その他暮らし

「最近の扇風機高くない?」→その理由はモーターにあり! DCモーターなら従来の「50%」節約になる!?

「最近の扇風機高くない?」→その理由はモーターにあり! DCモーターなら従来の「50%」節約になる!?
最近の扇風機って高いですね。筆者は10年以上使用してきた扇風機が壊れたため、新しい物を買おうとネットをのぞいてびっくりした次第です。
 
なんせ扇風機の価格相場の記憶が10年以上前から更新されていなかったものですから、「扇風機=5000円くらい」のイメージでした。そんな中、当たり前のように1万円以上、物によっては3万円を超える扇風機が並んでいたからです。
 
しかし、どうやら高いのには理由があるようで、端的には「ACモーター」と「DCモーター」の違いのようです。そして、DCモーターは節約になるとも言われています。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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ACモーター・DCモーターとは

「ACモーター」と「DCモーター」とは、扇風機に使われているモーターの種類です。扇風機を動かしている心臓部分であり、モーターの性能はそのまま扇風機の性能になります。
 
ACモーターの「AC」とは、オルタネート・カレントの略で、交流を意味しています。電圧が一定の周期でプラスとマイナスに変わるため、電流の流れる方向が変化する電気の流れ方になります。
 
これに対してDCモーターはダイレクト・カレントの略で、意味は直流です。電流は一定のまま一方向にしか流れません。電流の流れで何がどう変わるのでしょうか。両者の違いを簡単に比較したのが図表1です。
 
図表1

ACモーター DCモーター
電流の流れ方 交流 直流
風量の調節段階 少ない 多い
電気代 高い 安い
運転音 大きい 小さい
本体価格 安い 高い

筆者作成
 
1万円を超えるような高めの扇風機に搭載されているのはDCモーターが多いです。扇風機の風量を細かく調整でき、運転音が小さく、電気代も安いなど、ACモーターより機能性が高い商品が多いからでしょう。
 

ACモーターとDCモーターの「電気代」の違い

扇風機を「強」で運転した場合の消費電力の目安は、ACモーターで20~50W程度、DCモーターで10~20W程度となっています。
 
これに、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している目安の電気料金単価31円/kWh(税込み)を乗じて1時間あたりの電気代を計算してみると、ACモーターが0.62~1.55円、DCモーターが0.31~0.62円です。DCモーターはACモーターの半分の電気代で使用できることが分かります。
 
例えば、扇風機を毎日10時間使用したとすると1ヶ月で300時間です。これにかかる電気代はACモーターで186~465円、DCモーターで93~186円となります。
 

本体価格の差額分を電気代で回収できるのか

「DCモーターは高いけれど、電気代が安いのであれば回収できる」本当にそうでしょうか。試算してみましょう。扇風機の本体価格や使用状況は、以下の条件とします。

●本体価格:ACモーター5000円、DCモーター1万円
●消費電力:ACモーター20W、DCモーター10W
●耐用年数:10年
●使用時間:毎年5~10月で920時間
●電気料金:31円/kWh(税込み)

本体価格の差額:1万円-5000円=5000円
10年間の電気代
ACモーター:0.62円×920時間×10年=5704円
DCモーター:0.31円×920時間×10年=2852円
差額:5704円-2852円=2852円

本体価格の差額は5000円ですが、10年間で回収できる電気代の差額は2852円となりました。電気代が安いからという理由だけでDCモーターの扇風機を買うと、計算上は損をすることになるようです。
 

まとめ

最近の扇風機が高いのは、DCモーターが主流になったためです。ACモーターより本体価格は上がりますが、その分機能性が上がっており、夏を快適に過ごせるようになっています。節電効果もありますが、扇風機自体が元々大きな電力を消費する家電ではないため、DCモーター購入を左右する程の理由にはならない場合が多いでしょう。
 
ちなみに筆者は、実機を見に行った家電量販店でDCモーターの風当たりのよさに惹かれ、高級扇風機デビューを果たしてしまいました。
 
※ 2023/7/12記事を一部、修正いたしました。
 

出典

公益社団法人全国家庭電気製品 公正取引協議会 よくある質問 Q&A
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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