更新日: 2023.07.10 その他暮らし
大金持ちのステータス? 今話題の「タニマチ」について解説!
日本の大相撲を題材にした作品として注目を集め、5月に公開されてから瞬く間にNetflixの国内ランキングで1位を獲得しました。また、海外での評価も高く、50以上の国と地域で「 今日のシリーズTOP10 」入りを果たしています。
そのドラマのなかで、重要なキーワードとして唐突に現れる「タニマチ」という言葉。
意味が分からず、疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。調べてみると、タニマチとは大相撲の文化と密接に関係している「大金持ちのステータス」であることが分かりました。
本記事では、今話題となっている「タニマチ」について解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「タニマチ」とは?
タニマチとは、一言で説明するなら「無償の個人スポンサー」のことを指します。
具体的には、特定の力士をひいきにしてくれる客や後援者のことを指し、定期的に力士を食事に連れて行ったりと、直接・間接を問わず金銭的な援助をしてくれる存在です。
力士を一度食事に連れていくと、数十万円が軽々と飛んでいくとも言われており、そうした逸話からも「タニマチ」になることへの金銭的なハードルの高さが伺えます。
似たような意味でよく知られている言葉だと、芸術分野で見かける「パトロン」などが当てはまります。
もともとは相撲界の隠語のひとつでしたが、現在では野球などさまざまなスポーツ選手の個人的な支援者のことを「タニマチ」と呼ぶこともあるようです。
「タニマチ」の語源は?
タニマチの発祥については諸説ありますが、発祥をたどっていくと、時代は明治末期にまでさかのぼることができます。
大阪の谷町筋(現在の大阪市中央区谷町付近)というところに住んでいた、とある開業医の方が相撲が大好きだったようで、けがをした力士を無料で治療したり、土俵を作ったりしたそう。
そして、力士たちから「タニマチ」と呼ばれ慕われていたその開業医から派生して、熱心な後援者のことを「タニマチ」と呼ぶようになったようです。
こんな人も実は「タニマチ」!
「タニマチ」になる理由としては、『サンクチュアリ‐聖域‐』でもあったように、強く有名な力士とのつながりを周囲にアピールすることが、その人のひとつのステータスになると考えられていたためです。
実際に「タニマチ」だった人物を探していくと、大企業の会長・社長などの名前を見つけることができます。
例えば、佐川急便元会長の佐川清氏。佐川氏は大相撲界に限らず、第64代内閣総理大臣・田中角栄などの政治家や芸能人を相手にタニマチとして莫大な経済的支援をしていたそうで、その莫大な資産とあらゆる方面への強いコネクションを伺うことができます。
また、占術家の細木数子氏もタニマチでした。なんとひいきの力士は第68代横綱・朝青龍です。朝青龍の優勝会見では堂々と隣に座って出席していたことからも細木氏が彼のタニマチであることは周知の通りで、彼女は1000万円もする化粧まわしを贈ったこともあったようです。
まとめ
大相撲の歴史を見ても、タニマチによる力士への支援が大相撲の発展に大きく貢献してきたことは確かでしょう。平成の大横綱たちの活躍は、タニマチによって支えられていたという側面もあるのではないでしょうか。
しかし現在では、「タニマチ」として力士をはべらせることがステータスとなりづらくなっていることもあり、かつてほど熱心かつ派手に後援してくれる「タニマチ」は減りつつあるようです。
また、日本相撲協会の公式アプリでは、月額500円の有料会員を「タニマチ会員」と呼称するなど、かたちを変えながらタニマチという文化を残していこうとしていることが伺えます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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